文責:高見の一人芝居(3J)
Web:http://www3.to/tatyam/
Mail:tat_yam@meirinkan.or.jp
*このテキストによって如何なる問題が生じても、当方は責任を負えません。各自自己責任で!

0.はじめに 〜ごあいさつ〜

 68CD2002をお買い上げ下さいまして、誠にありがとうございます。
 まずは自己紹介でも。わたくし、高見の一人芝居と申します。昨年度の会誌をお読みになられた方には、 「情報処理試験の対談の司会をしてた『たつ』と同一人物」といえばお分かりになるでしょうか。 昨年までとPNが変わっているのは、今回のテーマについて語る上で、ネット上でのハンドルである この名を使った方が懸命だと判断したためです。
 で、その今回のテーマでありますが、ずばり「MAD」です。※注1 といっても、普通の人であれば、「MAD?何それ?」という反応を示すでありましょう。 今回は皆さんに、そんなMADの世界の一部分をお見せしていきたいと思います。 最後までお付き合いいただければ、幸いです。

注1:正直、他の部員がプログラムとかのゲーム製作がらみの話を展開してる中で、 果たしてこんな関係ないテーマで良いのだろうかとも思うんですが(汗)
   まぁ、ゲーム製作がらみのことなんて書けないからしょうがない・・・はぁ。

1.導入 〜で、MADって何ですのん?〜

 MADとは何か・・・とりあえず英和辞書を引いてみると、「気が狂った」とあります。 これが示す通り、MADとは大抵「とち狂ったような映像・音声作品」のことを指します。※注2
 しかし、一口にMADと言っても、幾つかの部類があります。大まかに説明していくと、

1−1.MADムービー

 まずはMADムービーです。これは、いろいろな場面の画像に様々な映像表現を施し、 またそれに合ったBGMをつけることによって映像作品に仕上げたものです。
 これの特徴としては、もちろん笑いをとるための作品もあるのですが、中には純粋に映像作品として見ても 遜色のないものがかなりある、という点でしょうか。
 ただし、使われている画像・音楽が著作物である場合が多く (画像にゲームなど※注3から抜き出したCGを使っていたり、 BGMに市販の音楽を使用していたりするものが多数ある)、ネット上で公開したりするには危ないジャンルでもあります。
 ムービーは良いものを作るのにかなり職人的技量が必要とされるので、ここでは製作法には触れません。※注4

1−2.MADテープ

 次はMADテープ。カセットテープが全盛だった時代から作られていたので、この名称が使われています。
 これは音だけの作品で、楽曲の一部分やアニメの1シーンの声などを抜き出し、それを自在に繋ぎ合わせることで 変なシチュエーションを作り出してしまおうというものです。
 音声だけなんでセンスとひらめきさえあれば割と簡単に面白いものが作れます。が、やっぱりこれも 元になる音素材が著作物であるケースが多い為に、公開するにはちと危ないジャンルに入ってしまいます。
 作り方に関しては、後に説明する方法を応用すればなんとかなるかと。

1−3.MADニュース

 そしてMADニュース。これは厳密にはMADテープからの派生ジャンルです。
 具体的に説明すると、これの音素材はTVやラジオで流れているニュース。その音声を部分的に切り取り、 繋ぎ合わせ直すことによってヤバイニュースを捏造してしまおう、というネタです。
 テープ同様、センスとひらめき・そして繋ぎのテクさえ良ければ面白い物は作れます。 また、題材がニュースということで、著作権的にも先の2つに比べれば幾分安全な部類に入ります。※注5
 今回はこの「MADニュース」について取り扱っていきます。

注2:とち狂ってないものも時にはありますが、まぁ、それはそれ。
注3:たとえば、この同好会のN氏が作ってるゲームの元ネタとか。
注4:というか、僕も作ったこと無いんで作り方なんて語れません。
注5:全く問題ないワケではないかも・・・でも、今のところネットで公開して問題が起こったという話は聞いたことがないので。

2.MADの作り方 〜やっぱ、実際に作ってみないとね〜

 さて、ここまで読んでみても、「結局MADってどう面白いのさ?」と言われるかもしれません。 ごもっとも。こんな説明文だけじゃ面白さはなかなか伝わりません。
 そこで、ここでは実際にネタを作っていく流れを追いながら、MADの面白さを伝えていきたいと思います。

2−1.音素材を集めよう

 まずは、元になるニュース音声を手に入れる必要があります。 テレビでもラジオでも、ニュースを録音しましょう。個人的にはNHKラジオのニュースがお勧めです。
 また、出来るだけ長い時間続くニュースを録音しておくと作りやすくなります。 というのも、MADニュースの原則として、「繋げるのは同じアナウンサーの声で」というのがあるので、 できるだけ1回のニュース内で作ってしまう方が良いのです。

2−2.とにかく聞いてネタのイメージを膨らませよう

 良いネタを作るにはとにかく元になるニュースを聞いて使えそうなフレーズをピックアップすることです。 何度でも聞いて、良さげなフレーズを見出しましょう。
 基本的に、元になるニュースを1つ決め、その中の単語を入れ替えていくという方針で作るのが簡単です。 ほのぼのとしたニュースに殺伐としたニュースの単語を入れるなどすると面白くなります。
 今回は以下のようなニュースを基本部分に使うことにしました。

「埼玉県花園町で、市民農園で作った野菜を使って、芋煮会が開かれました。
地元の人も加わって、取れたばかりの大根や人参、さといもなどを大きな鍋で煮込みました。
参加した人たちは、自分で栽培した野菜が入った鍋から、何杯もおかわりをしながら、
地元の農家の人たちに、これからの冬野菜の作り方や畑の管理などを教わっていました。」

2−3.切り貼りを駆使して製作しよう

 ここからがMAD製作の要です。固まったネタのイメージを実現するべく、音声を部分ごとに切り分け、 なるべく音のつながりが滑らかになるように注意しながら、繋いでいきましょう。
 この切り貼りに使うのは、パソコン&波形編集ソフトでも、MDでも構いません。 (一応テープでもシンプルなものなら作れると思います) ちなみに僕は昔はMDでやってましたが、 デッキにけっこう負担をかけるので最近は波形編集ソフトを使っています。
 ここでの腕によって作品の面白さも変わってきますので、とにかく納得いくまで作り込みましょう。

2−4.完成、そして・・・。

 そうしてMADニュースが完成します。先ほどの基本部分は、最終的に以下のように変貌しました。

「埼玉県花園町で、アパートの家賃を3年分使って、
50年に一度行われるプロ野球日本シリーズが開かれました。
参加した人たちは、今朝、警視庁に出頭し、支援者に支持を訴えました。
地元の人も加わって、およそ200万円が入った鍋から、
何杯もおかわりをしながら、劇場の中に突入し、人質を解放しました。


 もはや基本部分は見る影もありません(汗)かなり謎な状況なのがお分かりいただけるでしょうか。
 実際に聞いてみると分かると思いますが、 アナウンサーがマジメな口調でこんな文章を読み上げているのはかなり滑稽です。※注6
 出来あがった作品はぜひ周りの人に聞かせてみましょう。笑いが取れればもうこっちのものです(謎)

 以上で、MADニュース製作講座は終了です。お疲れ様でした。 製作に興味を持たれた方はこれを参考にして作ってみてください。

注6:繋ぎ次第では逆に文章で読むほどのインパクトが出ない場合も(汗)
   というか、今回の作品もどっちかというとそんな感じだったり(滝汗)

3.最後に 〜宣伝とか注意とかいろいろ〜

 僕のHP「Takami's Powerful Station」では、今までに自分が作った作品とか、 個人的に凄いと思った作品とかを公開しています。※注7
(今回製作したニュースの音声版も公開しています)
 もしMADニュースに興味をお持ちになったなら、ウチのHPも見てみてください。 (作品の投稿もお待ちしてます(ぉぃ) )
 あと、作品を作る上では、あくまでもブラックなジョークであるということをお忘れなく。 あんまり不謹慎な方向に走りすぎると逆に笑えなくなります。題材選びには慎重を期した方が良いでしょう。

注7:このCDに収録されてる別のテキストでは「決して公開してはいけない」と 書かれてたりしますが・・・個人的には公開に問題は無いと考えていますので。

 ということで、僕のテキストはこれにて終了です。 このテキストでMADのことが少しでも分かっていただけたなら幸いです。
(全然分からんかったという方はすいませんです)
 では、皆様が良きMADライフを送られることを祈って・・・(謎)
 以上ここまで、高見の一人芝居がお伝えしました(ニュース風に締めてみる)
おしまい。