ffmpegは動画圧縮用のユーティリティであり、これにGUIを被せた物が現在、三種類ほど流通しているが、中でも独自に機能を加え差別化を図っているffmpegXを取り上げるのが妥当な選択では無いかと思われるし、私も利用しているので、これに限って話を進める。
ffmpegXは、数種類の形式を入力し、DivX、MPEGを出力することが出来る。
DivXといってもOpenDivX以前の物に限定されているが、我々のプラットフォームにおいては、高圧縮率かつ他環境との互換性を備えていることは、大きく評価出来ると思う。
最新版ではAVIに関する簡易的な操作も可能になった。
同種の物として、AppleのMPEG4がQuickTime6からサポートされているが、QuickTimeCodecというのはMac界において言えば非常に大きなアドバンテージではあるものの、そのCodecの品質が今ひとつである。
Mac以外の環境では、QuickTime for Windowsで再生可能ではあるが、大前提の問題としてWindows環境におけるQuickTimeの普及率があり、互換性という点ではDivXに劣っているが、いわば自閉症的な利用に限って言えば、必要十分なのでは無いかという考え方も有る。
しかし、我々の世界観が自閉症的というわけでは決してないことを、Appleは証明してくれるものと期待している。
また、これまでとは少々異なるアプローチをしているMediaPipeにも言及しなくてはならないだろう。
これは複数のPipeを、ファイル入力から出力まで接続するという構造である。
多種多様なPipeが用意されており、画像補整やエンコードを行いながら、QuickTimeやAVIで出力できる。
最新バージョンではXviDのエンコードPipeが用意されている。
おそらくはMac環境においてもっとも優れたCodecであり、新バージョンのPipeのリリースを、微妙に期待している。
というのは、MediaPipe自体が完全な動作をするかと言えば、決して肯定ではないからだ。
だが、試みとしては興味深く、傍観に値するだろう。
そして、本家DivXであるが、現段階ではデコード機能のみを有するα版Codecの配布にとどまっている。
しかし、これはQuickTimeCodecなので、エンコード機能を備えるならば、MacOSの動画界に最大級の影響を与えるだろう。
我々もDivXの能力は認めているのだ。
最後に生き残るのは、などと考えるのは早計だが、現時点ではDivXが一歩抜き出している。
我々の宗教的強迫観念としてはAppleとMPEG4を応援するところだが、やはりMPEG4が事実上の標準となるには、今しばらく時間が必要なようだ。
しかし、その葛藤自体を楽しみつつ技術の進歩に一喜一憂するのも一興であろう。