Bフレ日記 -届け、遠く離れたこの想い-
招悠<yuuki_y@anet.ne.jp>
注)BフレッツはNTT東西日本の行っている光ファイバーによる通信サービスです。
それは、まだ少し肌寒い、春の日のことでした。
「回線おせー」
我が家はまだフレッツISDNであり、周りでADSLになって高速化された人間をうらやましがりながら、一晩掛けて大容量のファイル(注1)を落としていたのです。
(注1)FreeBSDのCDイメージ。640MBが複数個。
「FreeBSD」がなんだかわからない子は、おとうさんやおかあさんに聞いてみよう。
たぶんおとうさんおかあさんもわからないと思うけど。
実は我が家は県境にありまして、基地局から直線で3.5キロ、実測5.5キロあるので、ADSLだとぜんぜん速度が出せないんです(ちなみに隣の県の市の基地局からは3キロ)。
(注2)ここでは深く解説しませんが、ADSLというのは俗に言う「ブロードバンド」なんたらかんたらの一種で、上りと下りで速度が違う(下りの方が速い)のが特徴です。
実際にADSLを申し込んでみようとするとわかるのですが、ADSLはNTTの基地局(否電話局)から4キロぐらい離れると、「まともに転送速度が出ない」と言われてしまいます。
3月2X日(木)
現在家族で最大3人でPCを使っていて、ルータ経由でネットにつないでいます。
回線が遅いので、親にADSLにしないかどうか相談しました。
そこでOKがでたので、ネット経由で申し込む事になりました。
そこで目をつけたのが、Yah○oBB。
対応の悪く謝罪したことで結構有名ですが、ここにした理由が3点ありました。
1.他のところよう知らん
なんも知らないとこよりかは一度問題起こして反省した(?)からいいかと思いました。
というよりも後述の理由があって他の業者は全く見てません。
2.友人が使っている
私の友人Rがすでに入っているので、手続の流れとか手取り足取り教えてもらえました。
友人が使っているのはいろいろな面でプラスになります。
3.リーチDSL対応
ここが重要。
我が家が基地局から離れているため、普通のADSLだとまともに速度が出ないと思われるので、
基地局から9キロ離れても500-600KBps出せるリーチDSLが使える業者でないとダメだったのです。
(注3)後述しますが、現在は12MのADSLコースで、同様の効果が得られます。それでも1Mbite/sぐらいが限界らしいですが。
5月X日(水)
本当は、この日に開通予定だったのですが、連絡メールが来なかったり、工事中一週間は普通のアナログモデムで通信しなければならないので、結局Yah○oは却下。
向こうの担当は対応の悪さにひたすら謝り一辺倒でした。
んで、私の親父がNTTに、ADSLへの変更の取り消しを申請。ついでに、光ファイバーであるBフレッツについていろいろ聞いていました。
Bフレッツにはいくつかのタイプがあり、最大100Mbps(bpsは、回線の速さの単位で、大きければ大きいほどよい)で月9000円の「ベーシックタイプ」、最大10Mbpsで月5,000円の「ファミリータイプ」等あり、最近、最大100Mbpsの「ニューファミリータイプ」というのが出てきました。
ちなみに「ファミリータイプ」や「ニューファミリータイプ」ってのはいつでも入会できるわけではないので注意が必要です。
で、どうやら私の住んでいる地域では、「ニューファミリータイプ」以外のサービスは来ているのですが、「ニューファミリータイプ」は来ていない模様。今年度そのサービスが始まるかどうかも未定だそうです。
私はこのとき、「9月には受け付け始まるんじゃないか」と思いましたが(結果案の定9月からでした。)
7月1X日(土)
親父に、「Bフレは壁に穴をあけるかも」と言ったところ、「壁に穴あけるなら厄介だから駄目」と言われ、「ならSpeedNetは?」と聞いたら「無線?信用できない」と言われ、「じゃあなんならいいの?」といったら、「ADSL」とかいうとぼけた答えが返ってきたため、親父と喧嘩。
私はその鬱憤を晴らすため、携帯電話の機種変更をしてしまいましたとさ。
8月某日
サークルの先輩とネットまうじゃんをしているのですが、その人がよく回線切れて、しかも一度切れると5分間はつなげないらしく、結構じらされたりしました。
DLだけ速くて、コミュニケーションが取れないなんて、ADSLは自己中心的な回線だなぁとか思いました。
(注4)自宅に引けないことへの恨みが募ってただけだと思われます。
8月末
新聞の広告で、私の住む地域に「ニューファミリータイプ」が入ることになり、その受付が9月2日から始まることを知りました。
やっぱり思ってたとおりでした。今の技術進歩だとそのぐらいいきます。
んで、前述したとおりこのサービスは、いつでもやってるわけではないので、最初申し込んで、下見だけでもしてもらおうかと思いました。
ちょうどADSLの12Mのサービスの開始時期でしたので、もし駄目でもADSLに移れると確信したのもありました。
(注5)先述のとおり、1Mまでなら速度が出ます。
9月2日(月)
いよいよ始まりました、受付。
ところが、9時開始なのに、うちの電話機の時計が一分遅かったらしく、電話を掛けようとしたときにはもう回線が混み合っていて、15分たっても空かない状態でした。
仕方ないので、試しにインターネットからの申し込みをやってみました。
…すんなりいきました。
ちなみに、この二日前には山登ってました、私。
どうでもいいことですね。
9月20日(金)
もう下見にやってきました。
どうやら今電話を通している配管に光ファイバー通せば良いらしいので、エアコンの管に通すってことはしない模様。つまり工事無しなのでOKってことです。
もっとも、貸家の場合、エアコンの管に通すと大家さんに白い目で見られるらしいですが・・・
これで、Bフレッツになることは決定です。
(注6)ちなみに家の管理してる人に許可取ったところ、「え、この地域もうはいったの?うちもやりたいなぁ。」でした。
普通の大家と返事が違う気がします。
10月23日(水)
あの後、何回かの不在着信の後、NTTのBroadBandセンターと話した結果、この日に決定。
・午後 3時半
これから工事のはずなんですが・・・、予定時刻から一時間たっても、まだ来ません(TT
・午後 4時ごろ
やっと怪しい車がきました。
それから担当の人が光ファイバーを通す作業をしていきました。
どうやらうちが、この周り(線路の東側)でははじめての人のようで。
でも、線路の反対側では何人かやったらしく。
まあ、ここらへんADSL届かないしなぁ。
んで、PCの話とかちらほら。
どんな人がBフレッツ申し込むとか、どんな条件でスピード出るとか。
やっぱり、理論的にBフレでは上り速くても、実際は遅いみたいです。
ってか、この工事やってる人、どう見ても30超えてるようには見えないのですが。
どこでこれほどまでの技術身につけてきたんでしょう?
実際に光ファイバーの芯を見せてもらいました。
・・・冗談抜きで髪の毛並みの細さです。
折れます。折れちゃいます。
で、担当の人がファイバーの線を切っていたんですが、切った先を、
親父が持っていってしまいました。
「よく、記念にとっとく人、多いんですよ。」と、担当の人。
6時ごろ、ONU(終末端子)のセッティングが終わりました。
そして、回線速度の測定へ。
・・・
なんですが、測定用のマシンがWindows95のようで、
どう考えてもいい値出ないんで、私のメインマシンを測定に使いました。
(注7)少なくとも標準ではMTUという値の問題で、速度が出ませんし、それを設定してもある程度は抑えられるらしいです。
フレッツスクエアでの測定結果: 30Mbit/s(≒3.53MB/s)
…うちのネットワーク内でのFTPの転送速度が同じぐらいしか出ないことを考えると、なかなか上出来でしょう。
ってか、12MのADSLの二倍以上だし。
(注8)こういった考えは不毛です。
・ちなみに
B-フレッツ導入にかかった金額は以下のとおり。
工事費:27100円
ルータ代:19800円
(Netgenesis SuperOPT90)
通信費:月額 9900円
…財布の中がとっても寒いです。
んで、結論から言わせていただきますが、
ADSLがまともに速度出る家なら、Bフレッツに変える必要はまだなさそうです。
というのも、数十Mbps(ちなみにMってのは100万って意味です)の世界になると、相手側のサーバのほうが遅くなってしまうことがあるからからです。
あと、本来UPLOADもDOWNLOADも速いはずなのですが、UPLOADはどうやらあまり速くないみたいですし。
でも、180MBのCDイメージ(FreeBSD)が一分未満で落とせるのは脅威でした。
あと、ADSLに比べ安定してるっぽいです。(比較対象ないんでなんともいえませんが)
(注9)ここではFreeBSDのCDイメージを落としてはいますが、私は普段VineLinux使っています。
おまけ
「Bフレッツにした」と言うと、みんなうらやましがりますが、
私としてはADSLでまともに速度が出る家の方がうらやましいですよ。
せっかくなんで、いくつか通信のサービスを紹介。
ダイヤルアップ(アナログ)
短時間で接続するならこれが最も安い。というか昔はこれが当たり前だったのですが。
長時間すると月の料金がすごいかさむし、回線速度も遅い。筆者の家は昔33.6Kbpsでつないでいて、月に2万行ったことがある。
ダイヤルアップ(ISDN)
ISDN回線でダイヤルアップ。いまではADSLがあるんで(<遠まわしに皮肉なんですが・・・)すごく不経済な気もしますが、このサービス自体、結構古いものではないですよ。
サービス開始当時は「電話をかけていてもネットができる」って言ううたい文句でした。
常時接続(ISDN)
フレッツ・ISDN。基地局から離れていて、なおかつ光などがないエリアには有効ですね。
って、これも考えてみたら首都圏でも3年前ぐらいに開始されたサービスなんで、地方だとまだ開始されてないのでは?
(ページで確認)どうやら北海道の奥までサービス受け付けてます。
ただ速度がADSLの数十分の一以下で月額が高いので、都市部で新たに申し込むのはどうかと。
常時接続(ADSL)
今、一番伸びているサービス。料金とか考えると一番いい。
ADSLは続々と他社が参入してきたせいで価格破壊が起こったため、非常にリーズナブルで高速回線を利用できる。
ちなみにISDNはデジタル回線なのに対して、ADSLはアナログ銅線を利用しているため、ISDNに比べ大分不安定。プロバイダにもよるけど。
あと、回線速度が非対称(下りに比べ上りが遅い)のも特徴です。
常時接続(光)
現在まともに契約できる中で、最も高速(・・・なのか?)なサービス。
デジタルで専用線で、ADSLよりも高速で、なおかつ安定している
が・・・高い。Yahooあたりがこの事業参入してこないと安くならないでしょう。
あとADSLが便利すぎて、乗り換える必要性が感じられないって言う人も多いようで。
ただNTTの方としてはそれほど加入者数増やす気はないかも。どうやら工事できる人が少ないらしく。私の地域でも一人ぐらいのようで。
常時接続(無線)
電話線引きたくない、学生とかには向いてるかも。ADSLがだめなとこでも利用できる高速回線。
自宅の前まで光回線を持ってきて、そこから無線のアンテナで自宅に接続。
ただ噂によるとADSLよりも不安定というのも聞きますが、果たして・・・
ちなみに電通大の学生寮である五思寮にすんでいるサークルメンバーは、アンテナからの距離の問題で契約できなかった模様。