クロスファイアー

2J 和田 淳



制作中のゲームを紹介します。

 



形式と勝敗
 プレイヤー1(赤)とプレイヤー2(青)が対戦するゲームです。両プレイヤーには「ジェネレーター」が1つずつ与えられており、ジェネレーターは「シューター」を最大でそれぞれ16個まで射出することができます。シューターは弾を発射してジェネレーターやシューターを破壊することができます。先に相手のジェネレーターを破壊したプレイヤーを勝者とします。双方のジェネレーターが同時に破壊されたら引き分けとなります。

ゲームの進め方
 このゲームは「バトルフェーズ」と「コマンドフェーズ」という状態を繰り返して進みます。ゲームはバトルフェーズで始まります。画面の左右にあるバーはコマンドゲージといい、左が赤、右が青のプレイヤーのコマンドゲージです。バトルフェーズにおいてこのゲージは時間とともに上昇します。自分のコマンドゲージが満タンになったら、いつでも好きなときに決定ボタンを押してゲームの流れを止め、 自分の「コマンドフェーズ」にすることができます。なお、双方がゲージ満タンで同時に決定ボタンを押した場合はコマンドフェーズにならないので、素早くもう一度決定ボタンを押す必要があります。コマンドフェーズにするとそのプレイヤーのカーソルが現れ、それを操作して自分のジェネレーターやシューターに命令を出し、移動や射撃(射出)の目標地点を指示することができます。コマンドフェーズを解除するとコマンドゲージが0に戻ってバトルフェーズになり、全てのジェネレーターとシューターは移動や射撃(射出)を命令されたとおりに自動的に行います。

移動と射撃
 ジェネレーターはバトルフェーズにおいて、目標地点に向けて一定時間おきにシューターを射出します(自分のシューターが16個画面に出ている時は射出しません)。シューターはバトルフェーズにおいて、目標地点に向けて一定時間おきに弾を発射します。弾は敵味方関係なく破壊するので、味方を誤射しないように適切な陣形を組んで射撃する必要があります。ジェネレーターとシューターは移動目標地点に向けてゆっくりと移動してゆき、目標に到達すると移動をやめます。しかし、弾は目標地点に到達してもそのまま通過し、場外まで飛んでいきます。ジェネレーターとシューターの移動の速さは同じですが、射撃(射出)中は速さが半分になります。移動中にシューターとシューターがぶつかると、敵味方関係なく両方消滅してしまうので、味方にぶつからないように注意して移動する必要があります。ジェネレーターとシューターがぶつかると、敵味方関係なくシューターのみが消滅します。まれなケースですが、ジェネレーター同士がぶつかると両方が消滅して引き分けとなります。

操作方法
 バトルフェーズにおいては、コマンドゲージが溜まらない限りはいかなる操作もできません。
コマンドフェーズの操作を以下に示します。

プレイヤー1(赤):キーボード
決定                   :Vキー
キャンセル           :Cキー
カーソル移動        :方向キー(8方向)
(スペースキーを押しながら移動させると位置を微調整できる。)
カーソルジャンプ   :Z、Xキー
(押すたびにジェネレーター、シューターの上に順繰りに移動)

プレイヤー2(青):マウス
決定                   :左ボタン
キャンセル           :右ボタン


 自分のコマンドフェーズになったら、まずカーソルを自分のジェネレーターやシューターに合わせて決定ボタンを押し、命令を出す対象を決定します。すると白いガイドラインが出るので、移動させたい場所にカーソルを合わせて決定ボタンを押します。移動させたくない場合は、キャンセルボタンを押すと画面下に「移動しないのですか?」と表示されるので、決定ボタンを押すと移動しないように命令できます。移動命令(移動しない命令を含む)を出すと、続いて黄色いガイドラインが表示されるので、射撃(ジェネレーターの場合は射出)目標にしたい地点をカーソルで指して決定ボタンを押します。射撃(射出)させたくない場合は、キャンセルボタンを押すと画面下に「射撃(射出)しないのですか?」と表示されるので、決定ボタンを押すと射撃(射出)しないように命令できます。移動命令と射撃命令を出したらカーソルは何も選択していない状態に戻ります。ジェネレーターやシューターを選択していない状態でキャンセルボタンを押すと、画面下に「コマンドフェーズを終了しますか?」と表示されるので、終了する場合は決定ボタン、終了しない場合はキャンセルボタンを押します。なお、コマンドフェーズを終了しない限り何度でも命令を出すことができ、一度出した命令を取り消して別の命令を出すこともできます。


制作動機
 ターン制の戦術シミュレーションゲームにおいては、自分のターンの時には敵は動かないので、 十分な移動力があれば簡単に複数の味方で敵を包囲することができますが、 リアルタイム制の戦術シミュレーションゲームでは敵も同時に動くので包囲するのが難しくなります。そのため味方を広範囲に広げることになりますが、広げすぎると逆に一部が敵の集中攻撃を受けてしまいます。このようなジレンマはゲームとして非常に面白く、 ユニット同士の相性やマス目を数えるパズルだけが戦術シミュレーションの面白さだとするのはもったいないと思います。
 しかしリアルタイム制であっても、 ユニットどうしが接触すると戦闘シーンになって1ユニット対1ユニットで戦うという形式では単なるぶつけ合いになってしまいます。位置取りや陣形など、数的有利を得るための工夫があまり戦果に影響せず、ユニットの強さだけでほとんど勝負が決まってしまうからです。「戦闘シーン」は見た目を派手にするためには有効なのですが、戦術的な面白さを追及するならシーン切り替えは避けるべきです。
 戦術シミュレーションはAIよりも人間と対戦する方がより深い駆け引きを楽しめるのですが、対人戦においてコマンドを入力する手さばきの速さで勝負が決まるのでは頭脳戦としてあまり好ましくないし、 かといってポーズをかけてコマンドを入れる形式にするとお互いに相手のコマンドの内容を見て都合が悪いと思ったらポーズをかけて命令を変更してしまうので、 どちらかが命令を変更するのをやめない限りゲームが進まなくなってしまいます。そこで、ポーズを解除したあと一定時間はポーズができない状態にすれば、 ややコマンドが不自由になるかわりに問題なくゲームを進行させられると考えて「コマンドゲージ」を思いつきました。交互に命令を出すので一見ターン制のように見えますが、味方が動く時は敵も動くのでターン制ゲームのような理不尽さはありません。