Keyboard Extreme

TIMA
 

はじめに

初めて私の文章を読む人にははじめまして、そうでないひとにはこんにちは、 www.x68uec.orgのサーバ管理者をやっているような気がする (※1)TIMA = timasoft.ddo.jpの中の人です。

まず、始めにREADMEと書かれているものを読む人種は往々にして少ないものでありますので(※2)、挨拶は軽く済ませましょう。

今回、会誌に提出することになるこの文章は、不肖私が作り上げることになっている(※3)ゲーム 「Keyboard Extreme」について解説し、作成するのに使用した技術についての考察をちょこっとだけ書いて、という魂胆です。


(※1)実際、管理者軍団の先輩方に手伝って貰い過ぎています。
(※2)読まない人に限って質問してくるものです。
(※3)超負債調布祭に間に合えばきっと展示されていることでしょう(汗)。

トップへ戻る

Keyboard Extremeとは何ですか?

音ゲーの一種ピアノ練習ソフトウェア(※1)です。まずは、これを作った動機から語る必要があるでしょう。

2002年も暮れのある日、もといクリスマスの2日前。忘年会(※2)を終えた我々は、 近くの巨大5階建てゲーセンに向かった。秋葉原だし。大手ゲームメーカーの某K○NAMI社の音ゲーと呼ばれる ギター弾いたりドラムを叩いたりするジャンルのゲームに100円玉を2n枚つぎ込んだりした後、私は、 鍵盤を弾くゲームを見かけたので、100円玉を2枚入れてみた。……結果は散々たるものだった。幼い頃から15年ほど ピアノを学習してきた私にとって、この程度の鍵盤ゲームは楽勝だと思っていたが、某K○NAMI社の音ゲー特有のレーンを使った インターフェイスは私にはとても理解できないものであった(※3)。 これに参った私は、ゲーセンを出た後、「見慣れた五線譜で」これっぽい何かを作り上げることを、冬晴れで澄み切った秋葉原の夜空に 誓うのだった。

この「Keyboard Extreme」がどのようなゲームなのかは前段落の作成動機をお読みいただければ大体分かるかと存じます。 分からない人には、是非一度プレイしていただきたいと思いますが、このゲームをプレイするに当たってMIDIキーボードを所持していることが 絶対条件となります。流石にUSB接続可能某デジタルドラムセットよりは安価ですが、そのような鍵盤ものを所持している人はごく稀でしょう。 ということで、これは我がサークルの展示会の場のみにて理想的な状況(※4)を御体験頂けます。音ゲーって何?って方は、駅前のゲームセンターに入って見ましょう。 かなりの高確率で、某K○NAMI社の音ゲーが稼動しています(※5)

このゲームの特色としては、インターネット上でも広く普及しているMIDIフォーマット(※6)のファイルを直接データとして読み込むことが出来ます。 他の音ゲークローンのように特別なファイルを用意する必要は……ごめんなさいあります。でも、テキストファイルにちょこちょこっとパラメータを書くだけです。 どこぞの特殊ファイルのように特別なエディタなんか要りません。データ作者のすべきことは、MIDIでの作曲若しくは打ち込みと数行の設定ファイルを書くだけということです。 これを読む人には余り関係ないけど、如何に設定ファイル作成が簡単かということを示したいので、設定例を以下に示します

設定ファイル karesusuki.ini  (MIDIファイルはkaresusuki.mid)
[define]
Name="昭和57年の枯れススキ"
Sharp=1
Channel=3

ね、簡単でしょ?

しかし、データの作成の簡単さに対して、究極の欠点は、プレイヤーを選ぶことです。最低限、プレイヤーには以下のことが要求されます。

  1. 若干の音楽的素養=五線譜が読めること
  2. パソコンに繋ぐことの出来る鍵盤楽器を持っていること

必ずしも、下の条件を満たしているからといって、上の条件を満たしているとは限らないのが現実なんですね。 五線譜読めなくてもピアノロールで打ち込みはできますし。 で、この条件は、「仕様ですから」仕方ないので諦めてください。改めてこれを使って勉強するというのも 微妙にお勧めしません(※7)ので、勉強してから遊んでください(ぉぃ)。


(※1)でもやっぱり音ゲーです。
(※2)この年の忘年会は、学術研究発表会への展示(於東京電機大学)の終了後に 秋葉原の某換気がダメダメな密集系雑居ビルの5階の焼肉店で行った。
(※3)過去形で書いてありますが、今でも分かりません。特に足とか足とかバスドラムとか。
(※4)あくまで、展示会レベルで出来る最善の環境です。作者の家の88鍵クラビノーバCVP-75を使った プレイ環境が今のところ最強ですが、さすがに展示会では無理。
(※5)某NAMUK○社のも最近は出てるようです。太鼓とか。
(※6)最近はブロードバンドの普及によりmp3やoggやflacやxaに取って代わられて廃れているかも。
(※7)「ピアノ練習ソフト」じゃなかったのかと(笑)。

トップへ戻る

MIDIの入力デバイスとしての意義とは

MIDIとは"M"usical"I"nstruments"D"igital"I"nterfaceの 略であることは周知のことと思います。(※1) MIDIは音楽を鳴らす「出力」の手段としては、鳴らす環境への依存が激しいということがどこでも言われていますし、至極尤もであります。 しかしながら、「入力」の手段としてのMIDIインターフェースってあんまり考察されているのを見たことが無いので、少し書いて見ます。

さて、入力の手段として用いることの出来るMIDIデバイスとは、色々ありますが、大体「電子楽器」でくくれるわけです。

そのほかにも「テルミン」(※3)とかありますね。

これらにおいてとても重要なことが一つ。「インターフェイスがばらばらである」ということです。 ピアノとギターはまるっきり入力方法が違うわけですね。もちろんテルミンも。 で、プログラマ側からすれば、MIDI入力を使ったソフトを作る場合、インターフェイスは問題にならないことが多いです。 MIDIシーケンスソフトなんかは、音さえ入力できればなんとでもなります。どんな手段でも。

さて、これをゲームに使うとしましょう。凄く問題です。インターフェイスが。

例えば、「Keyboard Extreme」の場合、「鍵盤楽器を使用してくださいね」とユーザーさんにお願いしてはいますが、 たとえ、ギターでやったってドラムでやったってテルミンでやったって(しつこい)プログラム上は何の問題も起こりません。 とっても上手いギタリストさんなら鍵盤楽器で四苦八苦するより、ギターでさっくりかも知れません(※4)

で、プログラマ側からギターでやったか鍵盤でやったかなんてことは知るすべは無いです。 これの何が悔しいかって言うと、「鍵盤で遊ぶべきゲームである」という目論見はさっくり崩れ去らざるを得ないということで。 例えば鍵盤に特化したテクニカルなデータがあったとしても、ギターで引いてしまうとテクニカルさが味わえないということがあったりするでしょう。

結局、MIDIでの入力をゲームに用いるということは、とってもリスクが多いということですね。プログラミングするのもだるいし(←これが本音かよ)。

で、私がなんでこの手法を用いたかというと、「これしかなかったから」です。結局、現在鍵盤楽器とPCを繋ぐ手段としてMIDIほど普及し、 OSでサポートされているなんてものは存在しませんから。せめて、「鍵盤かどうか」とか機種情報をお伺いできるように出来ていれば嬉しかったのにね。


(※1)わかんない人がこの段落読んでもしょうがないと思うよ。
(※2)電子ドラムセット。某K○NMAI社のアレをこれでやるとは贅沢ですね。
(※3)摩訶不思議な電子楽器。MIDI接続できるテルミンが確かあった気がするので書いてみた。
(※4)でも、テルミンでプレイできたら神だな。

トップへ戻る

おわりに

さて、最後は去年を踏まえて、ちゃんと落としておきましょう。

こんな文章にマジになってはいけないね。


トップへ戻る