ゲームにおける確率の話

成田清志

はじめに

多くのゲームにおいて、確率というものは重要な要素となる。
俗に言うRPGやシミュレーションゲームなどで、ダメージの値などが一定でないのは確率を用いているからである。
落ちものパズルゲームなどでも、現れるブロックがあらかじめわかっていたら興ざめである。

ここでは、確率に関して簡単な話をする。
なお、実際のゲーム内部での処理は擬似乱数というものが使われている。
これは、本質的には確率とは微妙に違うものなのだが、それについて言及するつもりはない。
擬似乱数も同様に確からしいものと考えて議論する。


本論

とあるシミュレーションRPGなどをやっていると、攻撃の命中率などが表示されていることがよくある。
その中で、命中確率が90%を超えているにもかかわらず攻撃が当たらなかったり、逆に、わずか数%なのに命中したりすることがおきることがある。
100%や0%でないのだから、たまにはそういうことがおきるかもしれないが、それが頻繁におきたりしたという経験はないだろうか。

プレイヤーの立場からすると、わずかな確率で不利益をこうむる現象が続けば、不信感をおぼえることも珍しくない。
「本当にこの確率は正しいのか?」とか「コンピュータが適当にやってるんじゃないか?」とか考える人もいるだろう。

しかし、確率というものは、このようなことが普通におきるものなのである。
試しに、ひとつの実験をしてみよう。

実験

6面体ダイス(いわゆるサイコロ)を転がしてみて、どのような目が出るか調べてみる。
試しに12回転がしてみよう。
6面体ダイスを1回振ったときの出目の期待値は3.5である。
確率どおりならば、1から6までのそれぞれの目が2回ずつ現れるはずだし、目の合計は3.5×12=42のはずである。
そこまできれいでなくとも、それに近い出目になると予想する人が多いであろう。

では、実際にやってみよう。
出目は次のようになった。

5,2,6,5,3,3,6,6,6,6,5,4

出目1は0回、2は1回、3は2回、4は1回、5は3回、6は5回である。
また、出目の合計は57である。
実際にやってみて、私もこの結果には驚いた。
途中で6が4回続けて出ているが、このようなことが起きる確率は1/6^4=1/1296≒0.00077、わずか0.077%である。
また、1が1度も出ない確率は(5/6)^12≒0.11、約11%である。

試しにダイスを振ってみただけなのだが、極端な結果になった。
6が4回続けて出ることを思えば、ゲーム内でわずか数%の現象が何度も起こることは決して珍しいことではない。
こんなことは滅多に起こらないだろうと考える人もいるかもしれないが、これはわずか12回の試行の結果である。
ゲームをやる過程においては、コンピュータは何度もこのような確率処理をしているのである。
ゲームを続けていればこの程度のことは十分に起こりうるものである。


おわりに

私は頻繁にダイスを振っている人間である。
そんな私の経験からすると、3%位の確率があれば、それは十分に起こりうることである。
結局、私が何を言いたいかというと、確率は面白いということである。
まさか、私自身、今回の実験で6が4連続で出るなどとは思ってもいなかった。

確率は、人間の期待を裏切り、想像以上に面白い結果をもたらしてくれる。
そんな確率を、私は愛している。


参考文献

特になし。駄文で申し訳ありません。