ゲームの世界観 〜ポケットモンスターについて考える〜

                                                                                    T科 一年  小岩井俊治

 

 ゲームには様々な種類がある。シュミレーションゲームなどやスポーツゲーム等ではある程度設定に矛盾がある
ことも有るが、現実的な世界観であることが多い。しかしアクションやRPGでは全く世界観が異なるものが主体と
なっている。しかしそれらの中には現実に似せたファンタジーの世界を扱うものも多い。それらが仮に現実であっ
た場合、どうなるのだろうかということを考えてみる。そこでいまや世界中で有名になり、多くのメディアやグッ
ズの展開をしている「ポケットモンスター」を一例として考えてみた。
 

・ポケモンの食物連鎖

    

 そもそもポケモンは自然界で人間の管理を受けることなく生存しているのだろうか。もしかしたらサファリパークのように一定の管理下におかれ生存している可能性もある。そうした場合ポケモンの行動は全て人間に操作されるため、ゲームなどで見ることが出来るポケモンの生活は正しいとは言えないのである。しかしその場合、いくつか矛盾が生じる。まずはポケモンによる被害が発生していることである。仮に全てのポケモンが人間の管理下にあるならば、そのような被害が生じたとしても迅速に対処できるであろう。そもそもその様な被害が生じること事態がレアケースであろう。またポケモンは大量発生するという事実もある。これらからポケモンが完全な管理下にあり、個体数を管理しているとは考え難い。以上よりポケモンは管理されることなく、自然界で生きていると考えられるのではないか。

次にポケモンは自然界で、自ら餌を探して食しているかということを考えたい。何故ならトレーナーが与えるポロックやよくアニメで与えられているポケモンフーズのみを食しているとしたら、食物連鎖が発生する余地がないからである。しかしこの可能性も低いであろうと考える。何故ならポケモン図鑑などに書かれているポケモンの特徴に好物が明記されているからである。たとえば、ヘドロポケモンのベトベターの好物は汚い物、じしゃくポケモンのコイルは電気を食べることで生きている。これよりポケモンの自然界でも狩猟などの行動もあると予想できる。

以上より、ポケモンは自然界で狩猟を行い生活していると考えられる。それでは実際、ポケモンは他の種類のポケモンを食すのだろうか。この答えもポケモン図鑑を書いてある。

「ピジョン」→「タマタマを餌としており、・・・」

「ヤドン」→「尻尾をたらし、餌となるものを釣りする」

また、アニメではキャタピーがピジョンに襲われるなどという、明らかに狩猟を連想されるシーンも多く存在する。これらから食物連鎖がなされているということを簡単に想像できる。

ポケモンの世界でも、実際の自然環境のように捕食者と被捕食者の環境が成り立っている。かわいらしいピカチュウも、そのような環境にいるというのはショッキングである。そう考えると、常に捕食される可能性がある環境では被捕食者の立場のポケモンにとっては、トレーナーに捕まることが一番安全なのかもしれない。

 

・驚くべき科学技術

 

ポケモンセンターの治癒能力が高く、一瞬で体力が全快する。その様な科学技術が手軽に使えることから、ポケモンの世界では我々の世界よりも科学技術が発展していることが観測できる。しかしそれ以外にもすごい技術ものが存在する。まず考えたいのはモンスターボールである。ポケモンをモンスターボールで捕らえた場合、そのポケモンの状態が瀕死でない限りいつでも呼び出せる状態にする。とても便利なこのモンスターボールは転送装置だという設定であるらしい。仮にモンスターボールはポケモンを何らかの方法でボールに入る状態にして、持ち運ぶ装置だとして考える。物質の質量は質量保存の法則より、常に一定である。場合によっては1トンもあるポケモンを自力で運ぶことが必要になり、その様な行動はどのような人間にも不可能であろう。

その為、モンスターボールが転送装置だというのは正しいのだろう。しかしどの様に大きさがまちまちであるポケモンを転送するのだろうか。またポケモンによっては最初に捕まえられ、そのまま預けられたまま最後まで使われないポケモンも多くいるだろうが、トレーナーは主人公以外にもたくさん存在するためにポケモンの転送先はとてつもない広さが必要になるだろう。そこではポケモンがいつでも戦える状況であるように管理されている必要があり、ここまでのとても大きい牧場のような場所は各地に気軽に設置することは困難である。その為ポケモンの転送先は一定であると考えられ、そのような一定の決まった場所からトレーナーがどんな場所にいてもボールを投げる動作中に転送を無事に終えられる転送技術は驚くものである。

ポケモン図鑑の技術も大変秀でている。すぐに逃げてしまうポケモン、例えばケーシィなどに遭遇したという記録も残し、それぞれの鳴き声や人間との大きさの比較、生息地も管理している。しかも生息地においては一度遭遇しただけで未だ行ったことがなくとも生息していることがわかり、その情報は正確である。しかもスイクンなどにおいては生息地ではなく現在地を表示することが出来るのだ。そしてもちろんだがポケモンを捕まえると、主人公が知りえないような情報も与えてくれる。

 

・ポケモン図鑑の疑惑

 

様々な情報を与えてくれるポケモン図鑑だが、ひとつ疑問に感じることがある。情報が的確過ぎるのである。コイキングなどの一般トレーナーも野生で捕まえることが出来るポケモンはもちろん、ヒトカゲやイーブイなどの一般的に「生息地不明」といわれ、一般のトレーナーが捕まえることの出来ないポケモンも研究が進んだ結果、どのような生態かわかったということなら納得できる。しかし存在そのものが不明であるポケモン、いわゆる伝説のポケモンの生態がわかっているというのはどういうことだろうか。これらのポケモンは普通のトレーナーはもちろん、研究者などの専門家すら捕まえるどころか明確に確認したことがないから幻や伝説なのである。しかし彼らの番号はすでに振り分けてあるし、捕まえたら一分も必要とせずに体長や体重だけでなく、様々な情報が判明するのである。これは初めて捕まえられたとは考えにくく、以前に誰かが研究し、前もってポケモン図鑑に登録したのではないのだろうか。そうであるならば納得がいく。しかしそうなると「ポケモン図鑑を完成させてほしい」というオーキド博士の言葉は嘘になり、主人公の旅の目的の半分が無くなってしまうだろう。

 

・まとめ

 

いざ現実に置き換えてみると、一見のどかなポケモンの世界にも驚くことが多い。自分が一番気になったのは科学技術についてである。今の科学技術では考えられない高度な技術であり、仮にこのような技術が現在にあったとすると大変便利な生活が送れるだろう。また医療の面でも飛躍的に伸びることが期待できる。この他にもゲーム内には様々気になることは多い。異常に高価な自転車やポケモンの身体能力についてなど。

このようにポケットモンスター一つに考えても多く、考えさせられるものがある。その他のゲームについたとしても、多くの矛盾点などが見つかるだろう。暇な時間がある方は一度考えてみては面白いかもしれない。