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最近のCPU事情に疎い貴方に捧げる蘊蓄もどき

マルチメディアを支えていくCPUとは?

著 : 石井 清貴

人によっては当たり前の会話であったり、全然知らない話しであったり、コンピュータの進歩は それほど速いものであります。68ユーザーも遅れをとってはいかんと、必死であります(?)そんな 貴方に捧げるフィクション談話。

1年って長いのね

I:「さて1年ぶりの誌面トークとなるわけですが…去年の文化祭の中日といえば…」
Y:「会誌を配る中、大方の予想通りOh!Xが休刊…」
D:「そんなこともあったっけ…ふっ。(遠い目)」
I:「まあ、悪いことばかりじゃないけどね。特に同好会がすっかり変わったし。」
Y:「まず人数が増えた!倍増ですよ。倍。」
D:「一応公認サークルにもなったし。」
Y:「今年は同好会は大発展で、めでたし、めでたし。」
I:「あとは同好会のDOS/Vにメモリを増やせば完璧だね。」
D:「安いんだから買っちゃえ〜」
I:「しかし、16MのSIMMが1万しないなんて、windows効果とはいえ、まあすごいのなんの。」
Y:「68なら、一枚でおつりがきますね。」
I:「さてそろそろ始めますか。去年と同じく私前に出てやりまっす。」
Pentiumでウハウハ

Y:「SIMMも安くなったけど、Pentiumも安くなったよね。」
D:「いまや166MHzも普通のマシンについているしねえ。なんでこんなに出回っているの?」
I:「第3世代Pentiumの166MHzや200MHz版のPentiumが量産を始めたから ね。初期のものでは数が全然足りなくて文句が出たみたいだから、 きっとガンガン生産してるんでしょうね。まだ166MHz版は高いけど、 120MHz版なんかはガクッと下がって来たからこの辺の機種を狙うと 安くつくよ。」
Y:「んでは、さらに次のPentiumがでれば200MHzを同好会のDOS/Vに のっけるのも安く…」
I:「出ればね。でも、もうしばらくしないと次世代Pentiumは でないと思うよ。Intelから発表があって、出荷は97年の前半に なるという話し。」
D:「ずいぶんずれるね。」
I:「まあねえ、MMXのせいだとおもうけど。」
D:「最近ぽつぽつ聞くけど、MMXって何? Microsoftの「DirectX」に採用 されたって聞いたけど。」
MMXってマルチメディア…

I:「DirectX はWindows95のマルチメディア機能を強化するソフト技術 のことだよ。で、MMXの正式名称はマルチメディア・エクステンション。」
D:「…わからん。」
I:「Intelと他の会社で共同開発したもので、動画や3D グラフィックの画像処理や、音声処理を高速化する マイクロプロセッサ技術のことをさすの。」
Y:「むむむ、わかったような、わからないような…具体的に どういうことをするんでしょうかね。」
I:「演算の技術がマルチメディア向けになっているわけで、 どういうことかというと、要するにマルチメディアって、 画像や音声を同期させて見るものでしょ。」
Y:「まあ、一般的にいえばそうですね。でもまだまだ奇麗じゃ ありませんけどね。」
I:「これらの音声や画像の展開がまだまだ追いついていかないわけで、 毎秒30コマをフル画面でやる、なんてことはまだつらいわけだ。 そこで、こういった展開技術向けにCPUを作り直すわけだ。」
D:「…それでもまだ実際に何をやっているのかがピンとこないが…。」
I:「さらに詳しくいえば、内部のレジスタの使用の話しになるけど、 ビット幅が8ビットや16ビットと小さいデータを複数まとめて、64ビット幅 のデータにまとめることをする。そうすると、このデータに処理をかけると、 複数のデータをまとめて処理したことと同じことになるわけだね。」
D:「文字8ビットのデータだったら、まとめて8つのデータを処理できる わけですね。」
I:「いろいろなビット幅にも対応できるようにするわけで、この場合 MMX レジスタと呼ばれる64bitのレジスタを、64bit×1本の計算や、 8bit×8本の計算が出来るようにする。と、いろいろ述べたように 同様の処理を大量に行なうような仕事にむいているわけだ。 イコール、大量の画像データをじゃんじゃん展開する仕事にぴったし、 というわけ。」
Y:「うーんと、エクステンションってことは拡張ですよね。」
I:「そうですね、例えば次世代版Pentiumには、従来のX86 命令に追加して、57種のMMX命令を組み込む予定です。というわけで エクステンションということ。」
MMXをのっけるだけで…

Y:「実際の速さはどんなもんでしょ。」
I:「Pentiumでの処理の予想では次の表ってところ。」

D:「なかなかですね。予想では…。」
I:「あとは実際にのったものを使ってみないことにはねえ。 ということで、話しを戻すが、MMXをのせることで第4世代 Pentiumの発売が97年前期にずれたというわけ。そこで チャンスを得たのが K6。」
Y:「K6 ってPentium互換のCPUでしたっけ?」
I:「ええ、AMD社が開発しているものですけど、こちらの方が 時期的に早く出るみたい。あとはCyrix社の M2 も負けじと必死 だね。」
D:「そういえば、いろいろな互換CPUメーカーがあったっけ…。 でも日本じゃあまり使われていないような気がするけど。」
I:「そうね。実際98シリーズでも使われたのは、AMD社の やつだけだったよね。あとはどうだか…。」
K:「初登場のKでーす。CPUといえば、やはりPA-7000!」
I:「…君の研究室のマシンは日○一色だからね…。」
Y:「それって早いんですか。」
K:「だだっ早ですよ。はっはっは。」
I:「うーん、まあ嘘はいってないが…。高いもんな、あのマシンは。」
Y:「でもさすがに、そのPAなんたらにMMXなんてものはないでしょ。」
K:「ない。はっはっは。」
I:「…実はあるんだな、これが。」
K:「えー!? 聞いたことないよ。」
I:「正確にいうとMMXという名前ではないんだけど、 同様の技術があって、HP社「PA-7100」やSUN Microsytems, Incの 「UltraSPARC」で採用されているんだ。名前はVIS。正式には visual instrustion set だよ。」
K:「おー。ニューマシンはそいつを入れたかったぜ。」
I:「へー。またいれたんだ。」
K:「でも次の機種もFLOR○だった。ひょ〜っ」
さらに先のCPU

I:「MMXの話しもいろいろでたところで…。」
Y:「68の話しですね!」
I:「…ない。」
D:「ガビーン。」
I:「冗談冗談、それは最後にとっておきましょう。PentiumのあとのCPUの 話しを少々。」
D:「えっ、もう出ているじゃん、去年もその話しはしたし。」
Y:「Pentium Proですね。」
I:「うん、でももうその先も少し見えてきてます。KlamathとDeschutes。」
D:「うー、なにそれ」
I:「Pentium Pro の次世代版と次々世代版のことです。コードネームだか ら、変な名前がついております。」
D:「それって、コードネームP7じゃなかったっけ。」
I:「それとは別だよ。要するにProの動作速度アップしたグレードアップ版。 Pentiumだってさっき言ったように、段階としては4段階あったわけで、 KlamathとDeschutesは第2世代と第3世代というわけ。」
Y:「速いんでしょうね、きっと。」
I:「それぞれ動作速度は、Klamathが233MHz〜266MHzで、Deschutesが 300MHz〜333MHzの予定みたい。」
Y:「むっちゃ、速いですね。」 I:「うん。で、さらに、初代Proではパッケージに収まっていた2次キャッシュは外され るみたいだけど、MMXを載せるみたい。なかなか面白いんじゃないかな。」
Y:「もう出るんですか。」
I:「うーむ。もう少ししないとでないです。第3世代版は97年後半頃 の予定です。」
D:「そうすると来年の調布祭はその辺の話しが上がりますね。」
Y:「会誌が出ればの話しだけど…。」
I:「うぎゃーっ。」
そういえばのPowerPC

Y:「それはそうと、あっちも気になるんですが。モトローラの方のやつ。」
D:「PowerPCですね。」
I:「ふっふっふ、もちろん情報が入って来てます。Intelのものとあわせて 下の表のようになっているようです。」

D:「しばらくはPowerPCシリーズが続くねえ。そのあとのGシリーズはどん なものなの。」
I:「G3シリーズの方は命令はPowerPCと完全互換のもので、 さらに周波数があげられるみたい。で、一方G4シリーズは命令セットを 一新するみたい。どちらも、そのうち正式名称ができるでしょ。」
Y:「で、ちょこっとのってるProject2Kってのはなんですか。」
I:「これに関してはまだ情報が全然ない。まあでも今後もどんどん あたらしいCPUをだすよ、という意気込みは感じられますね。」
Y:「頑張ってほしいですね。」
最近元気な周辺機器

Y:「CPUもいいですけど、最近は周辺機器の方が話題にこと書きませんよね。 650MフォーマットのMOや、10倍速CD、そうそうDVDも注目されてますね。」
D:「DVDの容量ってどれぐらいなの。」
I:「DVDはまあ…そうねえ、まだ出たばかりだからなんともいえないけど とりあえず下の表のようになってます。」

D:「8.5Gかあ。まあまあじゃない。でも転送速度がいまいちかな。 高速のアニメーションとかは辛いかな。」
I:「そうだね。でも動画だと転送だけでなく圧縮も関連してくる からね。CPUの方もネックなんだけどね。 今のPentiumにMPEG1の動画伸長をやらせるとそれだけで 手いっぱいなんだよ。そちらも上がっていかないとね。 でも、最初の転送速度はこうでも、どんどん上がって いくから大丈夫。99年頃には転送が5M以上になる予定だよ。」
Y:「なんだか、デジタル機器が楽しそうですね。うちの部にも1台 デジカメでも買いましょうよ。」
I:「あれば遊べるだろうなあ。しかしYさん。うちの部費はいくら でしょう。」
Y:「年間○○円。」
I:「せいぜい、タコ足を買うのが関の山…。」
D:「この前、MOを大学側で買ってもらえただけでも奇跡だね。」
I:「学友会の予算も0円だし。だーっ(T_T)」
そして68の行方は…

D:「最後に68の話しもほしいぞーっ。」
I:「といっても、去年から、Oh!Xが休刊になって、EX-SYSTEM本が出て、 満開のOh!+は結局出ないで、ツクモからグラフィックアクセラレータボードが出て、 この前のシャープのフェアで60ボードが出て…。」
Y:「あの、新機種は…。」
D:「ふっ(~_~;;;;;)もうすぐ冬だなあ…。」
I:「まま、とりあえず、ほそぼそとは続きそうです。あ、そうそう、Oh!Xの最 後の本はEX-SYSTEMじゃなくて、このあとZ-MUSIC Ver3本が出るそうですよ。」
D:「でもあれってむちゃくちゃ重いんでしょ。俺のEXPERTじゃ むりだよな。」
Y:「ふっふっふ。私は30ですから余裕っす。」
I:「んー、でもCDもついていろいろおまけが多そうですから、 買ってもなかなか楽しいと思うよ。」
D:「インターネット関連はないの。」
I:「ある! 結構ページを作っている68ユーザーも多いからいろいろな 情報のページができてるよ。」
Y:「同好会のホームページからもいろいろ見れますよね。」
I:「結構自作のプログラムや、ハードの情報を載せる人がいてくれるので、 たすかるよ。」
D:「そういえば68用のブラウザを作っている人もいましたね。」
I:「Oh!Xの謎のページもあるし。68ユーザーはインターネットで情報収集 すべし! それも学生のうちにね!」
D:「で、これからはなにを目指しましょうか。」
Y:「ブラックプレステでさらなる開発!」
K:「JAVAのローグもどきももっとゴージャスにできるよ。」
D:「JAVAもいいけど、やっぱりポリゴンものがいいですよ、ポリゴン動画とか。」
I:「…ちょっとまて…68は…。」
一同:「…ふふっ…(キュピーン)」
− 続く? −

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