ゲームコントローラの変遷

2J  安藤

 

 年々進化するゲーム機。数ヵ月後にはRevolutionPlayStation3Xbox360といった新型ゲーム機の発売を控えています。……とここで、機体性能の進化ばかりに目がいきがちなゲーム機ですが、たまにはゲーム機本体の進化だけでなく、ユーザーインターフェースとして大きな役割を果たしているコントローラについても見てみましょう。

 

ファミコンのコントローラです。1P2Pでボタンが違うという珍しい構造。2P側にはスタート・セレクトボタンが付いてないので、タイムをかける権利すらないという非情な仕様です。

 初期型ではABボタンが四角いゴム製だったのでボタンが埋まりやすく、故障もしやすかったのですが、後に改良されてプラスチック製の丸型になりました。

 2Pのマイクですが、たまにこれを使わないとクリアが大変だったり出来なかったりするゲームも一部あります。しかしあくまでおまけとしての位置付けであり、入力に使うのは割と無謀。

ファミコンから10年後に発売された、通称ニューファミコンのコントローラ。スーパーファミコンライクというか、ボタンの数以外丸っきりスーパーファミコンのコントローラです。今度は2Pにもスタート・セレクトボタンが付いています。

 ところでこのコントローラ、マイクがありません。さすがにマイクを入力装置として使うのは気が引けたのか、単に不必要だから省いたのか分かりませんが、これではたけしの挑戦状もクリアできない……と思ったら、2Pで↓+Aと押す事で、以降Aボタンを押せばマイク入力の代わりに使えるようです。マイク入力ができてもどの道私はクリアできませんけど。

ネオジオのコントローラです。家庭用のハードに付属しているコントローラとしてはかなり珍しいジョイスティック。それもそのはず、ネオジオは当時のアーケードゲーム筐体と同等の性能を持っており、アーケードのゲームがかなり移植されていたからです。

 ネオジオはとにかく値段が高かった記憶があります。実売価格5万円。お子様にはとても手が届きません。そのため周りの友人たちは誰も購入しておらず、この時代のハードでは唯一触ったことがありません。PC用の似たようなコントローラを触ったことならありますが、個人的にはパッドに慣れて育ったのでジョイスティックは使いづらいのです。もちろんジョイスティックの方が使いやすいという人もおり、好みが分かれるところです。

スーパーファミコンのコントローラです。基本はファミコンを踏襲していますが、手にフィットしやすいように丸みを帯びたデザインになっています。また、ボタン数がかなり増え、X,Y,L,Rボタンが追加されました。といっても、登場初期の頃は全部のボタンを使うソフトというのはあまり多くなかったです。一度は触ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。

この十字ボタン・LRボタン・右側の4ボタンという構造のコントローラは使い勝手が良かったのか、後にプレイステーションなどに受け継がれてゆきました。

 プレイステーションのコントローラ……の項目なのですが、画像のアナログスティックが付いているのは随分後のモデルです。

 基本的にはスーパーファミコンのコントローラを拡張した感じで、LRボタンが更に1つずつ増えています。グリップ部分の追加で更に持ちやすくなり、個人的には最もフィットするコントローラです。

しかし一番の欠点は十字キー。格闘ゲームなどで使ってみると分かりますが、十字キーが上下左右で独立しているので、十字キーの激しい操作が痛いです。怪しいメーカーの亜種の方が指に優しいです。

 Nintendo64のコントローラ。最初に見たときの感想は友人と満場一致で「ややいかがわしい」。持つ場所が3つあるので、その内の2箇所を握ります。握る場所によってレフトポジション・ライトポジション・ファミコンポジションなどという名称がありますが、レフトポジション(右手で3Dスティック部分、左手で十字キー部分)なんて使ったことがありません。

 意外と全体的に使いやすいコントローラで、3Dスティックもなかなかの操作性。ただ、3Dスティックは稼動部が多く、何年か使っていると物理的な動作がおかしくなったりしたので、何度か分解して掃除をしたりもしました。

 ドリームキャストのコントローラです。正直何だこの形はと思いました。プレイステーションとNintendo64のコントローラがΖガンダムとキュベレイとするなら、これはさしずめジ・Oといったところでしょうか。ですが触ってみると意外と好感触。といっても触った回数はそんなにありませんけど。使いづらいという人もいて、賛否両論のコントローラです。

 ただ、近所のゲーム屋にもドリームキャストのソフトのコーナーがありましたが、後期は大半がギャルゲーなんだから、十字キーと決定ボタンとキャンセルボタンとスキップボタンだけ十分なんじゃないかと思いました。

 ゲームキューブのコントローラです。Nintendo64とプレイステーションのコントローラの相の子という感じがします。

 LRボタンはアナログとデジタルを併用しており、途中まではアナログで、最後の押し込みはデジタルという具合になっています。また、ZボタンがRボタンの少し上に付いているのですが、いま一つ押しづらい感じがします。

 とはいうものの、任天堂のユーザーインターフェースは割とハズレがなく、このコントローラも使いやすいか使いにくいかと聞かれたら、使いやすいといえるコントローラだと思います。

 

 スペースの都合上割愛したコントローラも多々あります。PCエンジンのコントローラはファミコンのような角張ったコントローラですし、セガサターンのコントローラは手の形に合わせた丸っこい形状で、右側にボタンが6つ並んでいるというようなコントローラです。

 

 コントローラは、プレイヤーとゲームをと繋ぐ唯一のデバイスです。いくらハードの性能が良くても、コントローラが使いやすくなければゲームの面白さを十分に感じる事はできません。それだけに、ゲームメーカーも本体と同じくらいコントローラの改良に力を入れています。皆さんも、自分が持っているコントローラを見てみると、開発者の苦労の跡を見つけられるといった面白い発見があるかもしれません。