死に至るアルゴリズム論

書いたひと かみやままんげつ



◆ごあいさつ

 下の画像を見れば一発でお分かりかと思いますが、アルゴリズム論と言いつつ実はドラゴンクエストの世界について書いてあったりします。 やっていることは、世界観の自分勝手な補完、魔法の発動に対するプロセスを、これまた自分勝手に解釈。ですが仕方が無いのです。 公式に細かい設定が無い以上、自分たちで解釈していくしかないのです。ああでも安心してください。 『メラは魔法使いの服の中に火炎放射器が仕込んであって、そこから炎が出る仕組みである。』なんて頭の悪い科学考証はしてませんから。
 とりあえずここは今しばらく耐えて、僕の設定したドラクエでも見ていってください。




◆世界観

社会 ---society---

 それではまずドラゴンクエストの世界観を考えることから始めて行きたいと思う。 どのタイトルもストーリーは違えど、住居、移動手段や魔物の存在など、共通する世界観をもっており大差は無いが、 筆者の知識の都合上、此文犬梁臙蓮砲寮こΥ僂鮗臑里箸靴届辰鮨覆瓩討いことにする。


 まずは主人公の住んでいる町を思い出して欲しい。 ゲームの都合上規模は縮小されているだろうが、あれは村であろう。 (※ちなみに他のどんな場所でもいいが、ゲームの都合上世界が縮小されて描かれていることは前提中の前提である。 城などは当然大きいし、城下町なんかは調布くらいの大きさはあろう。だがゲームとして必要ないところは描かれないのである。 そのあたりは、適時主人公たちの体験している世界を脳内で補完していただきたい。) さて、話が逸れてしまったが主人公の村である。山中に位置しており、おそらくは自給自足だろうか。 基本的に村や集落といった場所では住人同士の仲が良く、物々交換もよく行われるであろうと思われる。 町、城下町といった規模の大きいところでは肉屋などの販売業もあるだろう。

 基本的に世界中に集落は存在する。その形態は分かりやすく、まずは王の治める城があり、城下町がある。 その近辺には町があり、およそ辺境の場所には村として存在する。 さらに、ごく小規模なテント形態の集落や山奥に一人で生活しているという人びとも少なからずいる。
 我々の世界と違うのは、北に行けば寒いというのではなく、寒い地方は局所的に寒いという点である。 しかし、わりと春気候の地域が多いようだ。そもそも季節があるのか謎である。


 また、国家という概念については非常に曖昧である。そもそも”〜国”という言葉が(あまり?)出てこない。 とりあえず”国王さまは…”などという会話はよく聞くので、”国”は存在するのだろう。 だがそれは城下町の話であって、町や村となると聞かない。これは自分的な考えだが、戦国時代より少し前の日本はこのような形態ではなかったか。 領主のいる栄えた国もあり、辺境で自給自足の村もあり、特産品などがあれば交易もなされる。 さらに国家というよりは地方の概念で〜の国〜の国と呼ばれていた点も近しいものを感じる。 まあ集落に関してはこの程度でまとめておこう。

魔物 ---monster---

ドラゴンクエストで、我々の世界と顕著に違うカテゴリの一つが生物である。 まず生命体の種類が違うだろう。我々の世界よりも豊富だし、植物、動物の区別が曖昧である。 また、精霊のような、生物であるかどうか不明なものまで存在する。 その点で言えば、どう見ても無機物のようなものまで(生命?)活動を行っているから驚きだ。 大きな違いは、知的生命体が人間以外に多様にいる点である。知性の幅も様々だが、 ただ道具を使える程度の知性から、言葉を話す生物まで。人間並みか人間以上の知識をもつものもいると思われる。


 次に挙げるものとして、生態系の違いを指摘する。人間には天敵がいて、それが魔物と呼ばれるものである。
 魔物に関しても複雑だ。好戦的でない魔物も当然いるし、もしかしたら人間の捕食対象となっている魔物もいるかもしれない。 例えば、魔物というカテゴライズは無しに、多種多様の生物がいて、その中で人間を捕食対象とする生物もいれば人間の料理に使われてしまうおいしい生物も多いというだけなのかもしれない。

 さて、魔物を魔物たらしめる因子が無くはない。魔族の存在である。どのストーリーも一貫して魔族の王という存在がいて、当然それに仕えるも魔物たちもいる。魔族たちのそういったコミュニティーの存在が確認できるのは検米海れし者たち)くらいなものだが、王が城もしくは要塞を構えている以上存在するだろう。犬ら推測するに魔族の社会はおそらく階級制もしくは幹部制であろう。上級の魔族ほど知識も高く、何より強いのである。しかし低級の魔族といっても、おそらく魔族全員は言葉を話せるだろうと思われる。何しろスライムですら言葉を話すのだから。  彼らの目的ははっきりとしないが、人間と敵対していることは事実である。問題は人間を攻撃してくる魔物は全員が魔王軍(魔族の軍団、魔王軍とでも呼んでおこう)なのか、それとも魔王軍に属せず捕食対象として人間を襲っているだけの魔物か。さらに希有な例に見えるが、娯楽として人間を襲う魔物も、例えば我々の世界の人間を考えてみればいてもおかしくはない。  ところで、小さなメダル王の城にスライムが住んでいたりする。 そこで彼はこう言う。「ピキー!僕は悪いスライムじゃないよ。」と。 すなわち悪いスライムがいることを明に示しているではないか。ではここで再び推論を述べよう。 魔物が人間を襲う理由として、本能的に、という理由も考えられなくは無い。 この感情を加えることによって彼らの行動の説明付けに辻褄が合う。今から独自の世界観で結論づけよう。

 元々世界には言葉を話す生物としては人間と魔族しかいなかった。 魔族とは例えば、ピサロやそのあたりの、かなり高等な魔族っぽい人たちである。 スライム系や他のモンスターはいたが、まったくもって原始的で、この頃はただの動物にすぎなかった。 この2種族は何らかの理由で古代から戦い続けてきたとしよう。もう古代すぎてお互い理由すら忘れたとしてもよい。 知性があれば戦争は免れないということは、今の我々を見れば疑いようがないだろう。 種族間の争いのため、人間は人間同士で、魔族は魔族同士で連帯感が生まれ、同種族間での抗争は起こらないとして問題ないだろう。 現に、主人公たちの世界では王国間の戦争は見ない。さて、魔族は呪術に長けており、ある時”進化の秘法”なる秘術を完成させてしまったとする(犬箸亙未箸靴董法 それで、魔族の者たちはそこら辺にいる動物でもなんでも捕まえて片っ端から進化させたのだ。知性を与え、この際、本能的に人間を攻撃するよう成長させたのである。 知性を与えられたモンスターは魔王軍とされ、知識のある者は或いは城に配備され、戦うだけしかできなかった者は或いは野に放たれた。 ちなみにこのままでは人間側が圧倒的に不利なので、人間側は錬金術に長けていたとしよう。 それで、破邪の剣やドラゴンキラーなどの優れた武器を作り魔王軍に対抗していったのである。


 果たして、長い年月が経った。その間に魔族側の呪術、人間側の錬金術は失われ、現代の状態に至る。 当然、失われた技術で作られた武器・防具は複製は不可能である。魔族側、野に放たれていた魔王軍のモンスターたちは子孫を育んでそれぞれ生きながらえてきた。 だが魔王軍としての意識は失われ、単体または群れで生活するようになったのだろう。 言葉を忘れてしまったモンスターもいるかもしれない。いづれにしろ魔族に植え付けられた本能によって、人間と遭遇してはこれを襲うのである。 それとは別に、魔王軍としての意識が残ったままの者、さらには現在の魔王軍の軍勢は言うまでもなく人間を襲うだろう。 また、魔族の本能がうまく働かず、人間と共存したり独自の行動をとったりするモンスターも出てくるのも確認される。こんなところだろうか。

道具 ---utility---

 率直に言えば、この世界に機械は存在しない。ものは手作り、電気は無し。 移動手段も基本的に歩き、裕福なところで馬車である。発達した手段としては、船がある。 主人公たちが使う空飛ぶじゅうたんとか、気球だのペガサスだの、あの辺は魔法や神秘の類であり、一般人が使える以前に主人公たちが出会わせたのもかなり奇跡的だ。


 また、注目すべきはかなり辺境の村などでも武器屋・防具屋は見かけることである。 魔物と対抗する手段、すなわち生きる手段としてそれだけ重要な物品なのだろう、需要があるのも頷ける。 だが銃器が無いのはなぜだろうか。魔法が使えない者もいる。それならば戦うためには武器が必要で、さほど体力がなくても使える銃器はまさに重宝する代物ではないか。 これに対する回答を考えてみる。


 この世界では機械が存在しないことは前提とされていることは先に述べた。 実際にゲーム中でも見ない。それは科学の発達していない世界をあらわさないだろうか。 魔法があるのだからあまり発達しないのも分かる。当然、火薬の作り方など知る由もないだろう。 もしかしたら原料の硫黄か硝石が発掘されない世界なのかもしれない。 ちなみに江戸時代の火縄銃に使われた黒色火薬は、硝石(硝酸カリウム)、黒炭、硫黄を原料として作られる。 硝酸カリウムは糞尿からも精製できるが(当然、知識が必要だが)、硫黄だけは発掘しなければ作り出せない。 鉄の加工品はあるのだから鉄鉱山はあるのだろうが、硝石や硫黄が掘り出せたからといって価値を見出せる世界だったかどうかは疑問である。

 ちなみに、犬任浪侈瑤存在するので筆者は非常に困ってしまう。 だがやはり科学は発達していないだろう。薬だって薬草だったり、治癒魔法だったりするのは変わらないのだから。 火薬のためにわざわざ遠方まで赴くため、火薬はどこでも手に入るようなモノではないことは確かである。 稀少な品なのだ。ならばこう考えられる。古代、火薬の精製には成功しており世界にその存在は広まった。 しかし原料が非常に稀少なためそれ以降精製されることは無く、知識も薄まったのである。もし再び精製されれば、その稀少性から相当な高額で取引されるのだろう。


 犬撚侈瑤梁減澆見られるのはアッテムト鉱山だ。何を採掘していたかは不明だが鉱山である。 ちなみにガスが噴き出し、町は壊滅状態にある。この世界で需要がありそうなのは鉄や銅、あとは金や銀などだろうか。とにかく不明である。 だがもしかして途中で硫黄を掘り出したのかもしれない。なんらかのラッキーが起こって、火薬精製の材料が揃ったのかもしれない。 火薬が精製できると知って調子に乗って掘り出したら亜硫酸ガスでも出たのだろう。鉱夫は全員死亡、鉱山の最後には火薬壷だけが一つ残されていた。 町は壊滅状態になりそれ以上採掘は進まず、おそらくそれ以降大した量も採れないだろう。結局火薬は原料が稀少なため、鉱山が見つかったとしてもほとんど生産されないのである。これらが銃器の発達しない所以であろう。
 (ちなみに、ドラクエには特殊な原料などのいらない弓でさえも出てこない。 弓は非常に生産的な武器であり、作る労力に比べてその破壊力は大きい。 我々の世界でも1万年以上前から使われてきた優れた武器である。 にもかかわらずドラクエに登場しないのは、やはり飛び道具はタブーとして扱われているのだろうか?)

魔法 ---magic---

 ドラゴンクエストと我々の世界、大きく隔てるもう一つの要素、魔法について考えてみよう。
 魔法とは神秘の力である。呪文を唱え、そこに火を熾したり傷の治療を行ったりする、といった類のものは我々にも久しく知られている魔法の形だ。 科学の発達していないこの世界では、生きていくのに重要な、世界の要素である。他のゲームなんかでは魔法に厳密な定義がなされたり、または魔術と呼ばれたりもするがこの世界では定義は無いに等しい。 分かっていることは魔法が使える者と使えない者が存在すること。魔法は術者のマジックポイントを消費して使われるという程度のものである。



 魔法はその種類を大きく6つに分けられる。”回復、補助、攻撃、攻撃補助、移動、その他”である。 この他にも5つの分類だったり考え方は様々であるが、今回はこの6つで話を進めていきたいと思う。 それぞれの説明をすれば、前2つが主に人間に対して使われる魔法であり、ホイミやスカラ、バイキルトといったものを指す。 さらに中2つは主に敵に対して使われ、メラ、ルカニ、ラリホーの類である。移動としてはルーラ、またレミラーマなどもこれに含まれる。 その他として、パルプンテを入れた。しかしこれらは、あくまで魔法の効果から推測されるカテゴライズに過ぎない。 実際の世界では魔法の派生に関して、全く違った系統樹があるのかもしれないし、または陰陽道のような相関関係が作用しているのかもしれない。 向こうには魔道書なりあるのだろうがこちらには無いのだ。まったくもって見てみたい次第である。


 さて、魔法の系統に関する考察に対して重要なファクターとなりえる、ある事実が存在する。 それは、覚える魔法が職業に依存しているということ。この職業はゲームとしては単に主人公たちのパラメータに過ぎないだろうが、向こうの世界では魔法に関して非常に重要な位置を占めていると思う。 何しろ魔法が使えるか全く使えないかは、その人の職業によって決まるからだ。 靴鉢紺聞澆任魯澄璽淇静造納由に職業が変えられるのだが、実際は人間の生き方を変えるという重要な決断をする場所である。 単なるハローワークと侮ってはいけない。
 例えば僧侶。僧侶になればベホマを覚えるし、ザオラルを覚えれば僧侶として道を究めたことになる。 だが、僧侶はベホマを覚えるための職業では決してないのだ。僧侶として生きている過程でベホマを覚えるのである。 それは自分でどう生きるかの意識による。もちろん魔法を唱えるために呪文がいるし、そのための知識は自分で得る。それは僧侶として必要とされることだから。 当然、ゲーム中に出てくる以外の魔法も覚えるのだろう。おそらく僧侶の知識内で得られる魔法は何だって覚えられる。 僧侶として生きている過程で得た結果である。もちろんベホマを覚えなくてもいい。主人公たちはそれが必要とされていたから覚えたのだ。


 また、職業を変えたからといってそれまでの知識が失われることはない。 僧侶と魔法使いを経て賢者になった場合、両者の知識を踏まえた魔法を覚えていくのである。 ただし、生き方が変わっているのでそれまでの職業で覚えうるはずだった魔法を今の職業で覚えることはない。 僧侶から魔法使いになったとして、魔法使いとして生きている時にザオラルを覚えることはありえない。




◆魔法発動アルゴリズム

異なる系 ---difference---

 さて、これまで世界観を大まかに見てきたわけだが、ここからは魔法に特化してさらに詳しく考察していきたいと思う。


 前章魔法の項では、職業によって覚える魔法が違うことについて触れた。
 左の図は、困亮腓碧睨,魍个┐訖Χ肇螢好箸任△襦K睨,肋紊ら、”回復・補助・攻撃・攻撃補助・移動”となっている。 ×はその系統の魔法を覚えないことを表している。僧侶、魔法使い、賢者は覚える魔法が多いのは見ての通りだ。


 僧侶の回復・補助系に対して、魔法使いは味方支援系の魔法をまったく覚えない。 逆に僧侶は攻撃魔法はバギ・ザキ系のみ、攻撃補助もほとんど覚えない。この対比が見て取れよう。 両方の職業を究めたのちの賢者では回復系、攻撃系ともに覚えるのは得に不思議なことではない。 パラディン、魔法戦士も同様である。なぜ僧侶と魔法使いで覚える系統の魔法が違うのか、ということが問題となる。


 職業による生き方が重要だと言った。確かに僧侶が攻撃魔法を覚えるのはおかしいことかもしれない。 だが必要に迫られた場合、魔法使いが回復魔法を覚えることも可能ではなかろうか。 そもそもどちらも魔法を行使することができる職業であるのだから、覚えやすさの差はあれ不可能なことではないような気がする。 ではなぜ不可能か。


 それぞれの魔法に注目したい。僧侶が使える魔法の特徴を見てみよう。
 ホイミ、キアリー、ザオラル、ザキ、マホトーン、…。回復魔法、もしくは死なせる魔法。では魔法使いはどうか。
 メラ、ギラ、イオラ、…。攻撃魔法の類である。この2つの職業について、どういった関係が見えてくるだろうか。
 もちろん回復と攻撃の違いが明白だろう。だが魔法の効果の対象に注目したい。回復は人体(もしくは魔物の体内)に作用する。 攻撃魔法はどうか。体内ではなく体外、おそらくは自然に干渉して効果を発動するのだろう。 このように考えた場合、効果の対象を<内系>と<外系>として括ることができる。 見ての通りだが、生物の体内に影響を及ぼす魔法と、体外、おそらくは自然に影響をおよぼす魔法である。


 <内系>と<外系>の関係がちょうど陰陽道の陰と陽の関係に似ていることが分かるだろうか。 僧侶が外系の魔法であるバギを覚えるように、魔法使いも内系であろうラリホーやマヌーサを覚えるのである。
 (今回は<内系><外系の>2系統に分類したが、実際はもっと細かい分類が可能だと思える。 だがスカラ・ルカニの類、人体の骨格を強固にする魔法なのか装備品を強固にする魔法なのか。 また移動魔法やパルプンテなども考えると2系統では足りない感もあるが、今回は基本職である僧侶と魔法使いを主に考えるとし、2系統に留めておきたい。)

概念 ---concept---

 <内系>と<外系>という考えは古くから我々の世界でも考えられてきた。 古代のローマでは<マクロコスモス>と<ミクロコスモス>、即ち全宇宙と人間との間に、解剖学的にも精神的にも一体性があるという理念があった。 解剖学的とは物理的な要素、特に四元素と呼ばれるものであり、プラトン曰く地、水、空気、火、これらは人体にあっては、骨、血液その他の体液、気息、そして体熱という形で存在する。 人体の地的な部分は固体の食物から、体液は飲む水から、気息はわれわれを取り巻く大気から、そして体熱は太陽から来るというのは明白ではないか。
 しかしながら、人間にとって身体以上のものがある。身体の諸元素を統一し共存させておくものは何か。 なぜわれわれの身体はばらばらにならないのか。われわれは、自分の身体がひとつの統一体として活動し、各部分は統一的全体「のために」働いていることを知っている。 これは、なんらかの作用者を前提としてはじめて説明できる。その作用者とは魂である。 しかし、もしそれが人体についての正しい説明であるとすれば、それはまた、宇宙全体、即ちコスモスについて成立しなければならない。 だから、―ソクラテス曰く―人間が魂を持つのと同じように、宇宙もまた魂をもつはずだ。

 つまりは、<内系>である人間が<内系>に作用することも、<外系>に作用することも可能である、と。 しかし意図的に出来るかといえばそれは出来ず、そこで知識や呪文を必要とするのではないかと思う。  知識とマジックポイントは大きく関係している。 ゲーム中では賢さとして大まかに分類されているが、これは魔法を扱える知識に他ならない。 マジックポイントとは、<系>に干渉する能力をあらわしていないか。

 アリストテレスの時代には、生体内に不可思議な元素がもう一つ存在するという考えが現われていた。 それはエーテルと呼ばれたり、プネウマと呼ばれたりするのだが、これは精気という概念にあてられた。 さらに、感覚を伝達したり、精液中の霊魂の運搬者であるとも考えられた。不可思議な元素だけにわりと広域な意味を持たされたのだが、ここでもその不可思議さにあやかるとしよう。
 この運搬者、伝達者という概念をマジックポイントに当てたい。 即ち<系>と<系>を干渉させる際に使われるものである。 マジックポイントとはプネウマ(精気)の量ではなく、プネウマを使って<系>に干渉を試みる論理的な値であり、ガソリンのように無くなったら補充できるものではない。 それでもマホトラなどで相手から吸収できたりするのは、やはり論理的な値だからだろう。乱暴に言ってみれば、映画「マトリックス」で、マトリックス内では本人次第で何でも出来るのと同じようなものだろうか。

魔法発動アルゴリズム ---the algorithm---

 ●内系
 それではいよいよ魔法のアルゴリズムについて考えていきたいと思う。 まずは<内系>の魔法、<内系>と関わりの多い僧侶を例に挙げて考えてみよう。
 回復系の代名詞ホイミだが、傷を癒す魔法なのは知っての通りだ。 ベホマからベホマズンに至るまで、傷を癒す量が増えるにしたがって高等な魔法となる。 いかにして傷を癒すのだろうか。人体の構造を考えると、傷を負った部位の細胞を元に戻さなければならない。 即ち細胞に干渉を起こし、再生・分裂を促進させていると考えられるだろう。 干渉はどうするかと言えば、呪文で行う。あの世界のいかなる生命体(含、無機物質)の遺伝子に刻み込まれた生命のプログラムに干渉するのだ。 呪文は発動キーである。いってみればパスワードのようなものだ。ある周波数の音声、それをマジックポイントを干渉者として相手に送り込む。 それに反応する細胞が一斉に活動を開始すると考えられよう。問題なのは時間となる。 ゲーム中では我々から見てすごく時間が早く進んでいるとは言え、細胞分裂には時間がかかる。 戦闘中にモタモタしてはいられないだろう。ベホマを使うような傷では腕が一本くらい吹っ飛んでいるかもしれない。 結論を言うと、回復系には時間操作が必須となるのだ。そう、ホイミ系は細胞干渉に加え、細胞単位で、個々の時間を早めなければならない。

 蘇生魔法ザオリクに関しても似ている。あの世界では「死んでしまった」と明に示しているのだから実際に死んだと見て間違いない。 死ぬというのは細胞が死ぬということ。これに細胞活性の魔法を使っても意味がない、つまり生き返らない。 ではザオリクは何をしているかと言えば、先に時間の逆行である。 ザオリクで蘇生した後も記憶は留めているのだから、死んだ細胞を原料に新たな細胞からつくり直すのはナンセンスである。 生きている細胞に戻ったらホイミと同様のことをすれば良いだろう。
 他の魔法も、細胞に干渉する方法で考えていきたい。ラリホーなどはセロトニンでも大量に分泌させているのだろうか。


 補足として。時間を進めたり逆行させたりは細胞単位で行われている。空間の時間を弄くるのは範疇の外である。 回復魔法は細胞干渉と時間の干渉を同時に行っており、知識としても2つが混ぜ合わさってのホイミでありたい。 ホイミから回復と時間操作を2分することはできないのだ。
 (さらに補足。ホイミは細胞分裂を促しているんだから、やるだけ寿命を縮めている気がする。)

 ●外系
 主に攻撃魔法の類。<外系>の魔法を多く覚えるのは魔法使いである。
 <外系>の要素である地、水、空気、火。これらに干渉を起こして炎なり風なりを発生させていると想像がつく。 メラやギラなどは火の要素だろう。イオは四元素を凝縮させて局所的な核融合が起こっているとどこかで聞いた。 概念として間違ってはいない。攻撃魔法については四元素を用いているとして特に問題はないだろう。


 多少考察が必要なのはマホカンタをはじめとする攻撃補助魔法だ。 マホカンタはいかにして魔法を跳ね返しているのか。マホトラでマジックポイントを吸収する方法は?
 この辺りは<内系>と<外系>が融合しているような感じでもある。 魔法はマジックポイントによる<系>と<系>の干渉によって行われると言った。 その干渉作用を拒否、または逆に相手に返すのがマホステ、マホカンタ、マホターンの類だろう。 マホトラは相手に直接作用してマジックポイントを吸収する。マホキテは<外系>の魔法である攻撃魔法を食らった時にそれと同等のマジックポイントを吸収する壁をつくりだす。 即ち呪文に込められたマジックポイントを、干渉の際に相手からいただくのだろう。 <内>と<外>をつなげる壁をつくっているのかもしれない。




◆あとがき

 時間がありません。今年も締め切りを過ぎてから作成しました。 最後のほうは誤字脱字があっても気にしないでください。 ザオリクの話は部室でSUEさんがドラクエをやっているのを見て思いつきました。 その後みんなでご飯を食べに行って細胞干渉の話が出来上がったのでネタにしようと。 内系と外系の話は図書館あたりでちょっと調べてみました。マナとか出そうかと思ったんですが、マナは最近のRPGなどで良く使われる単語で、歴史としては浅いんです。 浅いって言うか、ちゃんとした思想から生まれたものではないので。。。そもそも語源がいろいろと違ったりしてアレです。 まあwikiとかで調べてみるのもおもしろいですよ。あとアレだ。画像なんですが、なんのモンスターかわからないのもあると思います。 画像の説明やリンク先などはhtml版に載せるので、省略。全ての画像は描いた絵師さまに著作権がありますよ。 時間がないのでこのあたりで終了します。最後のほう見にくくてごめんなさい。




◆HTML版のあとがき

 みなさんこんにちは。多少時間に余裕があるわけで、いろいろと長話が出来そうですが。 会誌の苦労話は後々するとして、紙版のほうでやってなかった画像の説明をすることにしましょう。 HTML版ではせっかくカラーで出力できてるわけですからね。

 分かりにくいものもありますが、この文章に出てきた画像は全て内容に関係あります。 一部すごく微妙なものもありますがw 一番上から説明していきますね。 サムネイルにリンクが貼られていたら、クリックすると絵師さまのサイトへ飛びます。

見ての通りの、ドラクエいいおとこコラです。
当初は全部の画像がドラクエに関する内容で、ゲームのキャプチャ画像や版権ものまで載せてたんですが、 さすがにいろんな人からツッコミを入れられまして。その後修正を加えて現在のような二次創作、版権無し、 転載可のものを集めた形となりました。
でもこのコラだけは最初から一番上へ載せようって決まってたんですよ。
画像はgoogleイメージ検索から。
ひのきのぼう。
秋葉の武器屋で売ってるやつですね。僕は行ったことないですが、あの店って売れてるのかなあ。
画像はアキバblogさんから。「ひのきのぼう」でググると出てくるはず。
アークデーモンです。
本当だってば!
Welcome to WhiteChaos!というゲームに出てくるキャラクターです。 イメージ検索で「アークデーモン」で、すぐ見つかるハズ。
絵師は退避ミキサァ azsa様。
…?このモンスターはなんだろう...。
「キラーマシン」で検索してたらヒットしたんですが、絵師は不明です。 独り言以外の何かさんの2004/3/31の日記に載ってますね。
とうだいタイガー。FFに無いセンスを輝かせるエニックス。
いや〜かわいい。かわいいぞ〜。
犬里箸Δ世ぅ織ぅーもかぶりものだったっけ??
絵師はPROJECT ぱるめざん こパひろし様。
はぐれメタルヘルムのつもり。
これはドラクエで言うどのキャラなんだろう。鍵柄阿な?てゆうか鍵柄阿砲呂阿譽瓮織襯悒襯爐辰討△辰燭辰院
本人サイトに説明が載ってないからよくわかりませんの。
絵師は 216様。最近東方絵を描いてらっしゃるようだよ。
これは擬人化ホイミンですねえ。
ホイミンって擬人化しなくても人なんですけどねえ。まあ女の子だからいいよね。
紙版の会誌で一番分かりにくかった絵はたぶんコレだと思います。白黒だと触手の部分がさっぱり見て取れません。 アレでもがんばったんですけどね…。紙版はただのサイズ変更だけじゃないんですよ?印刷しても潰れないように ちゃんとグレースケールにしてから2階調化して最適なコントラストにしたんです。わりと常套手段なのかもしれないけど。
擬人化ホイミンってアレですね。
触手があるから自分で触手プrあっ痛いやめて蹴らないで。
…絵師はティディレ様。朝目新聞からの抜粋なのでWEBサイトは不明です。イメージ検索で「ホイミン」でいけます。
ザオリク。これは見たまんまですか。
絵師も分かりそうでわからないですが、ヨシダプロホムーページだよ! ヨシダプロ様。
パルプンテね。
上のザオリクの結果降ってきたものではありません。
犬任呂覆爾勇者が覚えるパルプンテ。勇者にも遊び心が必要?
絵師はナイ力ラ一ム3O9 キソ(ポソ)様。
これはプラトンです。ドラクエとは関係ありませんが、魔法の概念を考える際に役に立ってくれました。
良い子のみんなはプラトン知ってるよね?アリストテレスの師匠のソクラテスの師匠のプラトンですよ! 哲学者です。てゆうかこの頃の哲学者は数学も科学もやってたからなあ。頭はよかったんだろうけど、やっぱり暇 じゃなきゃこんなこと考え付かないよね。
で、ソクラテス。画像では厳つい顔してるけど、実際の本人はそこらへんにいるようなおっさんで、 顔はむしろ不細工だったそうな。ってコレ昔の倫理の先生から聞いた話だけど、当時の書籍が残ってたのかなあ。 もしそうならきっとこんな風に書かれてたんでしょう。
 255 名無しさん@ギリシャ
  ソクラテスって最近街でよく聞くけど、どんなヤツなの?
 256 名無しさん@ギリシャ
  >>255 ブサメン。街で声かけまくってるキモイおっさんだよ。
 257 名無しさん@ギリシャ
  >>256 相対主義者必死だな ( ´_ゝ`)プッ
ね!こんな感じにね!
そしてこれが問題のエウレカ。
どう見てもエウレカです。
本当にありがとうございました。
紙版でもHTML版でもどっちでもいいけど、最初に見て文章と関係あるなあって分かった人は勘が鋭いか、 僕と同じ間違いをしてるかのどっちかです。分かった人いますか?エウレカですよ?正解は、 アリストテレスとアルキメデスを間違えた。でした!;y=ー( ゜д゜)・∵. ターン
ここまできても分からないお馬鹿さぁんのために言っておくと、アルキメデスはてこの原理で有名な古代ギリシャ最大の天文学者・数学者・物理学者です。 シチリア王から王冠の金の純度を調べるよう言われて、風呂に入るとき水が湯船からあふれるのを見てアルキメデスの原理を思いつき、 喜びのあまり「エウレカ(Eureka)、エウレカ」(分かったぞ)と叫びながら裸で走っていったという伝説からですね。
本当に締め切りが近くて焦ってたんですよこの時は。古代ギリシャ人なんてみんな名前が似てて区別がつかんわ。
絵師は逸樹画店 亜方逸樹様。
バーチャルネットアイドルちゆ。
これまた関係なさそうですが、回復魔法の治癒から来てます。もうグダグダですね。
絵師は不明。ほんわかキリン本店さんの2001/10/30の日記に載ってます。
魔法先生ネギま!から、本屋ちゃんです。エロいです。
ま〜一番関係あると言えばあるんですが、無いと言えば全くないですね。”魔法”つながりでネギまです。 個人的にはエヴァたん萌えなんですがね。ええ。ちょっと調子に乗ってましたすみません。

 以上で画像の説明は終了ナリよ。
 そろそろ終わりですが、最後の最後に重大なことを言わなくちゃならないことに気づきました。 なんかこのテキストのタイトル「死に至るアルゴリズム論」ですが、本文で死に至るアルゴリズムを一回も説いてません。 なんてこと。分かるかとは思いますが、ザキ系の呪文について書くつもりでした。 が、魔法発動アルゴリズムのあたりで気が抜けたっぽいですね。うああ凡ミス_| ̄|○ 仕方ないからここで少し 触れときましょう。説明は簡単です。<内系>の呪文で細胞に干渉するのだから、内部から殺す、 即ち呪文干渉によって各細胞にアポトーシスを発動させます。すると一瞬で死んでくれるでしょう。 これが死に至るアルゴリズムだったわけですが、見事に書き損じている僕は本当にダメなヤツです。


 じゃあ最後の挨拶。
 ここまで読んでくれた人、本当にありがとうございます。個人的に一番おもしろいのはあとがきです。 HTML版ですが、わりとスタイルシートを使い、紙版出力とほぼ同じレイアウトに収めることに成功しました。 ブラウザによってはめちゃくちゃな表示になるかもしれませんが、そんな化石ブラウz(ry 実を言いますと、 スタイルシートはいまいち不慣れで、今まで上手く使えた試しがありません。この文章のソースも文法的には 正しくないかもしれません、が、今までの中では最も効果的にスタイルシートを使えて満足ですね。
 僕の文章も以上です。それではみなさん、また来年の会誌まで。ごきげんよう。


文:かみやままんげつ
WebSite:日光衣谷 http://slrv.ifdef.jp/