携帯ゲームとその変遷
3H 鷲使い
今、プレイステーション等家庭用ゲーム機がたくさん発売されている。しかし、それとは別の路線としてゲームボーイから始まる携帯ゲームの存在がある。この変遷についておさらいし、今後の携帯ゲームについて考えてみよう。
1.発売した携帯ゲーム機
携帯ゲームとして最も早く登場したのはゲームボーイである。(Game&Watchを抜かすとすればだけど・・。)スーパーマリオランドから始まったが、特にパズルゲームが人気が高かった。テトリスやDr・マリオ等ファミコンからの移植作品も多かったが、シューティングのように派手な効果を必要とせず携帯ゲームの手軽さ(簡単に遊べるような工夫)を生かしたのがパズルゲームである。ゲームボーイは1996年以降にライト、ポケットなどモデルチェンジを繰り返し、30種類以上のモデルが存在している。
(周辺機器には GB KISS というインタフェース機能がありましたね。)
任天堂の独壇場のように見える携帯ゲーム業界にも、ネオジオポケットやワンダースワン等少しずつパズルゲームから脱却したソフトウェア中心のハードも登場しました。(いろいろ戦略的に失敗した感はあると思うのだが)
携帯ゲームで大きな変化をもたらしたと考えられる所は、携帯電話とPSPの登場だろう。以前のハードウェアと比べると性能が向上している点やよりユーザのニーズが多様化していることからかなり方向性が変わってきているといえる。ただし、携帯ゲームの特徴としてちょっとした時間に遊ぶことが多いため、ゲームのルールや操作方法がすぐに理解できるゲームソフトが多い。テレビゲームは家族と共同で所有しているケースも多いが、携帯型ゲームはたいてい一人で専有している。 個人でのゲーム機本体やソフトウェアの専有意識があることから、通信機能を利用し通信対戦やキャラクターの交換などにより他者とのコミュニケーションをとることのできる機能が増えている。
2.これからの携帯ゲーム機
携帯ゲームといえども、iアプリ等携帯電話での利用が増えてきている。これは携帯電話の普及率がとても高いことが挙げられる。この市場はある意味とても魅力的な市場と思える。だが、現状では既存のソフトの移植等しか利用されていないような気がする。
この携帯電話を生かす様なソフトはできないだろうか。それには、
●個人でのゲーム機本体やソフトウェアの専有意識があることから、通信機能を利用し通信対戦やキャラクターの交換などにより他者とのコミュニケーションをとること
が挙げられる。
DSのニンテンドッグスや既存のポケモン等希薄になりつつあるコミュニケーションをゲームによって達成するソフトウェアが成功している。オンラインゲームも相手が見えないという不安が有りながらもかなりの成功がある。セガは携帯ゲーム+カードを打ち出したようだ。セガと言えば育成ゲーム「シーマン」を生み出した会社だが、携帯ゲームの課金システムはかなりおもしろいと思う。ただし、携帯電話がゲームを支配しつくしてしまう感は否めない。DSにしろ、PSPにしろ最大の的となるのは携帯電話だ。顧客層がとても広い上に保有している人も多い。また、ゲームの開発もしやすいといいことづくしだ。現在は、それほど魅力的なコンテンツがないことと課金システムの問題があることからそれほどはやっている訳ではないが、読み物を中心としたゲームやミニゲームを駆使したゲームなどは向いているのではないだろうか。
「携帯電話と携帯型ゲーム機をともに使っている回答者は、平日を中心とした短時間のゲームには携帯電話、休日を中心とした長時間のゲームには携帯型ゲーム機といったように両者を使い分けている。ジャンル別に見ると、携帯電話ではパズル・クイズやテーブルゲームなど短時間で遊べるゲームが好まれ、携帯型ゲーム機ではRPGやシミュレーション・アクション・アドベンチャーなど長い時間を要するゲームが利用されることが多くなってきている。」(2004年6月、インフォシーク上で4日間の調査より)
携帯電話と携帯ゲームの戦いはこれから大きく加熱しそうだ。キーワードである「コミュニケーション」をどう考えるかが業界のエンペラーになる鍵になっていくだろう。