非対称ダイスの同様に確からしさを考察する
できてるといいな
8J EBA
1. ダイスについて
ダイスというと格好良く聞こえるが、要はサイコロのことである。
双六とかテーブルトークRPGとかにおいてよく使われるアレである。
普通の人は1が赤い立方体のものしか知らないだろうが、実はダイスには様々な種類がある。
ちょっとここに列挙してみよう。
・6面ダイス
実に一般的。というか、普通の人はこれしか知らないだろうと思われるダイスの代表格。
白ダイスは小さいのなら1個10円で買える。
他のダイスに比べて様々なデザインのダイスが存在するのも特徴。
・20面ダイス
綺麗な正二十面体。これに0〜9までの出目を2つ振ったものを乱数サイと呼ぶ。
・10面ダイス
主なダイスの中で唯一正多面体ではないのだが、TRPGではかなり使用されるダイス。
20面ダイスで触れた乱数サイもこれと同様の分布となる。
・4面ダイス
知らない人だと「どう読むの?」と質問したくなるダイス。
これは、床に触れている辺に書いてある数字を読む。図の場合は3である。
・8面ダイス
見た目はそれなりに良いが、最近ではあまり使われない。
・12面ダイス
正多面体のダイスの中では一番使われない。発生させる乱数(1〜12)が扱いづらいというのが最大の理由。
ここまでがよく使われるダイス。実際、専門のショップへ行けば比較的安く手に入れられる(面の数によって差はあるが、だいたい100〜300円程度)。
また、変形として以下のようなものもある。
・バレルダイス
通称弾丸ダイス。円筒状に面を配置したダイスで、主要ダイスのほとんどはカバーしている。
六角鉛筆に数字を書いてサイコロの代用にした経験のある人は多いと思うが、それと同じ感覚である。
理論上は何面ダイスでも作れるのだろうが、20面で既に相当な大きさなので手軽に使う分にはこれが限界か。
・100面ダイス
通称ゴルフボール。
もちろん、すぐに止まるわけがないので面倒。通常は10面ダイス2個を用いることが多い。
存在自体がネタであるため、知名度は意外と高い。ちなみに、1個1500〜2000円程度。
・スターダイス
数字の代わりに惑星の記号を書いた10面ダイスと、星座の記号を書いた12面ダイス。
とりあえず神秘的っぽさを出してみたいときとかに。
2. 本題
さて、ここまでは比較的どの目も同じぐらいの割合で出そうなダイスである。
このことを、確率用語で「同様に確からしい」と言う。
しかし、次のダイスを見ていただきたい。
5面ダイス
7面ダイス
……どっからどう見ても同様に確からしくない。
参考までにwikipediaでも調べてみたが、「同様に確からしくないため、実用的ではない」とある(100面ダイスもその類のものであるらしい)。
しかし、一応はダイスとして売っているシロモノである。それなりに同様に確からしい状態に近い分布になってはくれるのだろう。
そこで、今回はこの2つのダイスを実際に振り、どこまで同様に確からしいか検証することにした。
試行回数は100回。確率論としては不十分な回数であるが、まあそれなりの値は出るだろう。
というわけで。
ひたすら振った。
3. 結果
・5面ダイス
1
2
5
4
2
3
3
2
1
5
3
3
1
4
3
4
5
3
2
2
4
4
3
5
1
4
4
4
5
5
2
4
3
1
5
4
4
1
5
3
3
3
1
2
5
4
2
3
2
2
4
2
1
2
5
5
4
4
2
5
4
5
4
1
2
2
1
4
3
2
2
4
1
2
2
4
1
4
4
2
1
3
1
1
5
2
4
2
2
2
4
4
1
5
2
3
4
4
5
1
出目
回数
1
17回
2
25回
3
15回
4
27回
5
16回
・7面ダイス
6
2
6
3
3
6
7
5
7
6
1
4
6
4
6
7
3
7
6
5
5
7
6
2
7
4
1
3
7
5
3
2
7
1
4
4
6
7
6
7
4
6
1
1
2
1
6
7
2
7
4
7
7
5
2
2
1
5
4
7
5
4
6
6
5
5
1
5
5
2
5
1
6
1
5
6
7
2
2
3
7
6
6
5
3
7
6
7
6
3
1
4
1
1
7
4
1
6
6
6
出目
回数
1
14回
2
10回
3
8回
4
11回
5
14回
6
23回
7
20回
はっきりと同様に確からしくない分布になっているが、それに法則性が感じられない。
面の形で分けると、5面ダイスは三角の面に1と5、四角形の面に2〜4が割り当ててあり、
7面ダイスは五角形の面に6と7、四角形の面に1〜5が割り当てられているのだが、同じ形の面でも出る割合に差があるのだ。
今回の試行では、5面ダイス、7面ダイスともに3の出ている割合が極端に低いことが分かる。
そうなった原因は「試行の回数が少ない」「振る環境が良くなかった」などが考えられるが、
いずれにしてもこの2つのダイスが乱数発生装置としてあまり信頼性の高いものでないことが見て取れるだろう。
4. おわりに
普通のサイコロしか見たことのない人にとっては、ここにあげたダイスは新鮮に映ったのではないだろうか。
興味がわいたなら、是非手に取ってみることをおすすめする。
ただし。
5面と7面はやめておけ。
これは本当にネタにしかならないから。