理想を求めて

修士1年 金武 秀典


この文章は将来作るかもしれない横スクロールアクションの面白さを自分なりにまとめたものである。ゲームにおける面白さというのは人それぞれである。納得できることもあれば疑問を感じることもあるだろうがあくまで私個人の考えであり一般論ではないことを注意していただきたい。ただ、この文章を読んでどうすればゲームが面白くなるのか考えるきっかけになれば幸いである。
1.はじめに
なぜ、横スクロールアクションを選んだかといえば、単純に一番面白いジャンルであると感じたからである。私はゲームにおける面白さというのはプレイヤー自身のゲームスキル向上による達成感によってもたらされると考えている。つまり、今までできなかったことが練習した結果できるようになると嬉しいという感じである。それを体験できるのがアクションゲームであると考えている。そのため、キャラクターが成長するようなRPGやアドベンチャーなどは私にはなかなか面白さを見出せずに飽きてしまうことが多いのである。ちなみに、一番面白いと感じるのは格闘アクションや落ちものパズルといったジャンルになるのだが私は頭の処理速度が遅いので人とやると大抵負けてしまう。すると、やはり面白くないわけである。ゲーム的には面白くても感情的に面白くない。そんなわけで、CPUを相手に攻略法を構築していくタイプのアクションゲーム、その中でも私の経験が一番多い横スクロールアクションに関して考えようというわけである。
2.難易度
できる限り難しい方が面白いと考えている。簡単であればすぐに達成できてしまい面白くもなんともない。苦労して成功した方が達成感があるというものである。
しかし、ただ難しくすればよいわけではない。例えば、ある障害物を避けるのに動き出すタイミングが0.01秒ずれるだけで失敗するようなゲームであればいくら頑張っても運以外で成功するとは考えにくい(確実に成功させられるという強者もいるかもしれないが…)。このようなゲームは不愉快に感じられてしまう。ただし、タイミングを1秒まで許容したとしても無理だと感じられる人もいるかもしれない。この辺のバランス調整は難しいだろう。解決策として簡単で遠回りなルートと難しくて近いルートの2通りを用意してプレイヤーに選ばせるというのは1つの手である。
3.ギミック
ステージ中に存在する仕掛けやトラップのことである。これに関しては難易度以外に注意しておきたいことがいくつかある。特に、即死と絡むトラップは扱いに注意する。
1つ目は、見てから対処できない即死トラップを多用しないこと。多少であればちょっとした気休めにもなるかもしれないがこのトラップがあるたびに運に頼ることになる。また、この手のトラップのほとんどは覚えていたら対処できるので1度引っかかったらその効果はほとんどなくなってしまう。例えば、垂直に落下して進行するステージがあるとする。その途中に足場があり左右どちらにも飛び降りることができる。ただし、右から落ちた場合には回避不能な即死トラップが存在し、しかも、足場からはそのトラップを確認することはできない、などの場合である。
2つ目は、配置する順番に注意すること。難易度の低い順に、失敗したときのペナルティが小さい順に配置する。最初は失敗してもやり直せるギミックで十分に練習させるべきである。最初から難しい即死トラップと併用したギミックなんぞを用意した場合には慣れる間もなく死ぬのが落ちである。死んで戻っての繰り返しではプレイヤーのモチベーションが下がる一方である。
3つ目は、冗長なつくりにしないこと。これはシビアな判定を要求するギミックを用いる場合に、失敗したときに何度も挑戦しなければならない状況を少なくすること。これもプレイヤーのモチベーションを下げる要因である。例えば、失敗するとダメージを受けるギミックがあるとする。ダメージを受けたノックバックによって下段に落ちてしまい戻ってくるまでに無敵時間が切れてしまい再び同じギミックを攻略することになる*1。この場合は、ノックバックしても下段に落ちないような造りにして、無敵時間中に強引に抜けられるようにするべきである。特に、練習を必要としないタイミングだけのギミックでは注意する必要がある。

*1:たいていの横スクロールアクションでは、ダメージを受けるとプレイヤーの操作に関係なく一定距離下がり(ノックバック)、一定時間ダメージを受けない状態(無敵時間)になる。

4.敵キャラクター
さまざまな動きでプレイヤーの行く手を阻むものである。ザコ敵とボス敵といるがそれぞれに関して注意する点をあげる。
ザコ敵に関しては、防御力の高いキャラを多用しない。1度に多くのキャラを出現させない。この2点に尽きる。どちらもゲームのテンポが悪くなるのであまりよろしくない。
ボス敵に関しては、ランダムな動きを少なくする。次が予測できるモーションをいれる。どちらかというとパターンを構築して攻略したいので突飛な行動が少ないほうがよい、という私の主観が大きな要因である(笑)。ただし、すべてがパターンになってしまうと作業になってしまうのでランダムな要素はある程度は必要である。
5.その他
ゲーム速度に関しては得手不得手の個人差があるので一概には言えない。しかし、あまり遅いとテンポが遅くてモチベーションが下がってしまうのである程度の速度で進むようにする。
1ステージの長さは初心者がじっくりやって5〜10分程度、慣れれば2〜3分程度で攻略できる程度がよい。自分が飽きやすいのでできる限り短く、それでいてギミックは多く。
敵キャラクターと自弾の有効範囲は同じにする。敵キャラクターが画面外で弾を撃ったり分裂したりしてるのに自キャラクターの弾は画面外では無効となってると理不尽にやられたい放題になるので気分を害します。
6.最後に
たいした文章能力もなく、ほぼ駄文と化してる戯言にお付き合いいただきありがとうございました。まだ思うところはあるのですが紙面の都合とまとめる能力がないので主だったところを適当に書きました。最初にも書きましたが全部私の主観であり、人によって感じるところは違うと思いますが、私の中で重要なのは理不尽な死に方をしないということと、ゲームのテンポを上げること、この2つであります。いくらごたくを並べても頭で考えているよりも実際に作ると難しいのでしょう。次の調布祭には私の理想を形にしたものが展示できているとよいのですが…