ゲーム販売の今
言い訳
私はこの1年半ぐらい某ゲーム専門店(以下P店)でバイトをしている。
前回の会誌では、単純に中で働いたことから妙な考察文っぽいものを書いたが、予想以上につまらなかった。
なので今回は多少方向性を変えて書いてみる。前回以上につまらなかったらごめんなさい。
1 ハード別状況分析
私がP店で働き始めたのが2005年3月である。
ちょうど新型携帯ゲーム機が発売され、次の据え置き型の情報もちらほら出てきたような時期だ。
今回は中の人から見た現在主力のゲーム機の状況を見ていきたいと思う。
なお、これを書いているのは2006年10月上旬である。
「現在」とか書いてあったらそういう時期なんだなあと思っていただけるとありがたい。
1.1 ニンテンドーDS
とりあえず、今一番乗りに乗っているハードだろう。
発売から1年ほどはそうでもなかったが、2005年末に大爆発。それ以降いまでもずっと品薄が続いている。
2005年中は売れてはいたもののハードが買えなくなるような事態にはならなかった。
10月ぐらいにはDSソフトの売れ行きが微妙に落ちているような印象さえあった。
しかし、11月あたりから状況は一変する。
年末年始という、任天堂一番のお得意時期に売れまくり、大量に入荷したはずのDS本体が全くなくなってしまった。
それ以降、DSはとんでもない品薄である。
3月に発売されたDSLiteも発売日には入荷してないも同然な数しか入ってこなかった(まあ、これは大手量販店というジャイアンに取られてるからなんだけど)。
とはいえ、いつも思うんだけど今のDSLiteの入荷数って普通なら品薄になるような量じゃないんだよね。
供給自体はそれなりにあるんだけど、あれば売れるような異常な需要が発生しているために全然解消されない感じか。
今ではさすがにどうぶつの森やNewマリオは落ち着いたが、脳トレはまだまだ売れてるし、ポケモンはあと数ヶ月は動きそうだ。
なにより、あのもぎたてチンクルのばら色ルッピーランドとか言う35歳ニ○トゲーが10万本以上売れてしまうのである。
これからの年末、主役は間違いない。
1.2 プレイステーション2
長期にわたって主力ハードだったPS2だが、ソフトの売り上げは相変わらず悪くない。
FF12やモンスターハンター2といった期待の新作は確かに期待通りの動きを見せてくれた。
まあ、FFはちょっと入荷しすぎな気もしたが……
ただ、売り上げランキングなんかを見てると、ソフトが1位に来ることがほとんどなくなった。
DSソフトの勢いが強く、トップの座を奪われた感が強いのは否定できない。
つっても、据え置きハードの普及台数ではダントツトップなわけで、9月に発売されたみんなのテニスもかなり売れている。
少なくとも今後2年ぐらいはソフトが出続けるだろうし、まだまだ退任は無さそうだ。
1.3 プレイステーションポータブル
PS陣営の出した携帯機PSPだが、かなりDSの影に埋もれてしまっている。
ソフトの売り上げもかなり地味で、10万も売れれば成功といえるような状況だ。
実質今現在の世間的なヒット作はモンスターハンターポータブルぐらいだろう。
PSPのソフトは基本的に移植や続編物がほとんどだが、それによって多くのファンを取り込んでいるために、
ソフト単位ではそこまで売れていないがハード自体はそこそこ売れていると思う(少なくともGCよりは)。
今となってはもうトップハードにはなれそうもないPSPだが、今までのコアなゲーマー層はかなりつかんでいると考えられる。
PSPのソフトはよりストイックなところをついていけば、しぶとく生き残っていくんじゃないかなあ。
脳トレの三番煎じみたいなゲームはいらないから、もっと所有者の欲しているものを考えて欲しい。
1.4 XBox360
去年の年末に発売された360だが、はっきり言って全然うれてない。
ソフトもかなりまばらで、PSPの10倍はコア層向きな感じだ。
期待されていたロンチはほとんど壊滅。
ナインティナインナイツあたりもハードの売り上げ牽引までは全然できていない。P店の売り場面積もかなり小さい。
とはいえ、この年末で状況は多少改善されるかもしれない。
コアパックにブルードラゴン同梱とかDOAエクストリーム2とか、それなりに売れそうな要因が揃いつつあるのである。
この調子なら去年の倍、いや3倍は期待できるかもしれない(元が少ないのはツッコミ禁止)。
1.5 ゲームボーイアドバンス
元々普及台数は多かったが、DSが大量に出回ったことでまだまだソフトは売れている。
さすがに新作こそほとんどないが、それでも安定して売れている感じか。
最近はFF3の影響でFF4、ポケモンダイヤパールの影響でポケモンエメラルドが売れるなど、
DSでの新作に影響されて過去の作品が売れることも多い。
中古ソフトもそれなりにちゃんと売れてるし、まだまだ消え去ることはなさそうだ。
ところで、奥にしまってある大量のGBミクロの中古、なんとかなんないですかねえ……
1.6 ゲームキューブ
もう虫の息という感じだろうか。一応まだゼルダ新作も出るが、Wii版も同時発売な上にネット専売だし。
売り場面積もかなりDSにぶん取られ、今ではほとんど360と同じぐらいである。
WiiでもGCのゲームはできるのだが、それで状況改善はなかなか難しいだろう。
まあ、私個人としては楽しませてもらったので、静かに眠ってくれ。
2 どうなる新ハード
いよいよPS3とWiiが発売される。世間の期待もかなり高まっているわけだが、果たしてどのくらい売れるのだろうか?ちょっと考えてみた。
2.1 プレイステーション3
発売前から値段が高いと散々言われているPS3だが、TGSで値下げを発表して多少はその声も和らいだように思える。
ブルーレイディスクのプレイヤーとして破格の値段であることも間違いない。
P店でも入荷数が分からないうちから予約の問い合わせがあった(取れるわけがないんだけど)。
はっきりいって、最初は売れないということはまずないだろう。
とはいえ、やっぱり高いことに変わりはない。マニアならともかく、普通にゲームをやりたいだけの人がそう簡単に5万も出すとは思えない。
出荷数少ないだのすげー赤字だのあんまりいい噂も聞かないし、状況しだいではかなりこける可能性も高い。
まあでも、10年トップシェアでいただけはあり、なんだかんだで生き残っていくとは思っている。
三度トップになるかは、FF13が出たときの状況しだいかなあ。
2.2 Wii
DSの路線を継承した任天堂の新ハードだが、最初からDS並みに売れるということはまずないだろう。
当然のことながら世間には認知されていないし、ソフトもどれだけ売れるのかよく分からないものが多い。
ゲーム関係のサイトとかでの変な期待はちょっと過剰すぎる気もする。
ただ、売れないということもない。今勢いに乗っている任天堂、やはり注目している人も多く、ちょっと買ってみようという人もそれなりにいると思う。
固定客も多いし、DSの立ち上がりと似たような感じになるんじゃないかなあ。
おわりに
これから新ハード発売を控え、ゲーム業界はかなり盛り上がっている。今後どういう状況になるかはまだ分からない。
DSで新規客を大量に取り込んだ任天堂がWiiでも活躍するか。はたまた高性能で先日値下げも発表してにわかに勢いづくPS3か。
それとも360……はともかくとして、中の人もこれからなかなか忙しくなりそうだ。