<ブロック積みというゲーム>     著:3J 岩本

みなさんは「ブロック積み」というゲームをご存知でしょうか?この「ブロック積み」というのは私が小・中学生の頃に仲間内で流行ったゲームなのですが、電通大の何人かの友人も知っていたことから考えると、なんらかのテレビ番組ででも紹介されたゲームだったのではないでしょうか。私自身もなぜこのゲームを知ったのか覚えていないのですが……。このゲームは大体2~4人程度でやるゲームで、順番に自分の色を持つブロックを置いていき、先に縦・横・斜めのどれかに4つ並べた人が勝者、という単純なゲームです。私は最近これをアレンジしたゲームを製作しているのですが、この「ブロック積み」というゲームを知らないという人がかなりいるようなので、ここで簡単にゲームを説明しようと思います。

 

1.スタンダードルール

 まずは、私が子供の頃にやっていた、普通の「ブロック積み」のルールを説明しようと思います。先にも簡単に説明しましたが、このゲームはプレイする人が順番にブロックを置いていき、4つ以上並べた人が勝ちという単純なゲームです。3人でプレイする場合を例として説明します。


下の図は3人でプレイしているゲームの2,3ターン目の例を表しています。それぞれのブロックに書かれている数字は各プレイヤーの番号です(1番目の人は12番目の人は2というように)1番目の人は何も無い地面にブロックを置くことになりますが、2番目の人は1番目の人が置いたブロックの上にもおくことができます。つまり、2ターン目を表した図の点線で示した箇所に2番目の人はブロックを置けるというわけです。2番目の人が1番ブロックの隣に置いた状態で3ターン目を迎えると、3番目の人が置ける箇所は図のようになるというわけです。

例:2ターン目

 

例:3ターン目

 


この時に注意しなければいけない点は、「ブロック積み」というゲームの名が示すとおり、ブロックは「積む」必要があるという点です。つまり、いきなり空中にブロックを置いたりすることはできないし、一度置いたブロックを外すことも不可能という点です。この点に注意してブロックを順においていき、誰よりも先に4つ並べれば勝利が確定するという単純なゲームです。この程度ならば紙1枚とペン1本があればできるゲームなので、暇つぶしにやってみるのもいかがでしょうか?

 

2.VSルール

 さて、先に述べたのがこのゲームの通常のルールなのですが、多少問題点があります。その問題点とは「先攻側が明らかに有利である」という点です。3人もしくは4人ならば先攻の有利も他のプレイヤーの行動によって左右されますが、2人となるとやはり後攻側が後手後手に回ってしまうのです。言うなればミスをしやすい○×ゲームと言ったところでしょうか。先攻がミスをしない限り、後攻が勝つのは非常に難しくなってしまうのです。そこで、2人でプレイする際でも十分に楽しめるように工夫して私が考えたのがこのVSルールです。

 VSルールでは、各プレイヤーにノルマが与えられます。例えばノルマが3であれば、ブロックが4つ以上並んだ列を3つそろえれば勝ちというルールなのですが、それだけでは先行が有利であるという点は余り変わりません。しかしここで列としてそろえたブロックが消えるとしたらどうでしょうか。つまり、有名なパズルゲームである「ぷよぷよ」のように、そろえたブロックが消滅するわけです(もっともこちらは「列」として並べなければなりませんが……)。この「揃えたブロックの消滅」というルールにより、「連鎖」という概念が生まれます。下の図1を見てください。

 

図1:連鎖の例


 この場合、点線の箇所に2のブロックを置くと2のブロック4つが横一列に並びます。

これにより2のブロック4つが消滅し、2のブロックを置いたプレイヤー2はノルマが1減るわけですが、ブロックの消滅により2のブロックの上に


存在した1のブロックが落下します。このブロックの落下により1のブロック4つが横1列に並び、消滅します。ここで重要な点は、消滅したのは1のブロックですが、1のブロックが消滅したのはプレイヤー2がブロック2を置いたことが原因であるという点です。つまり、ここで消えたのは1のブロックですが、消したのはプレイヤー2であるため、ノルマが減るのはプレイヤー1ではなくプレイヤー2となります。自分のブロックを消されたばかりかノルマまで減らされてしまったプレイヤー1はさぞかし悔しがることでしょう。


このように、たとえ相手のブロックでも自分が原因となってそろえることを可能とすることで、先攻の有利は圧倒的なものではなくなります。しかし、こちらの都合がいいように相手がブロックを置いてくれるとは限りません。それではうまく連鎖をするためにはどうすればいいのか?そこで重要になるのが「効果ブロック」というものです。

図2:消えない例


この効果ブロックは、自分のターンに自分のブロックを置く代わりに置くことのできるブロックで、これは自分のブロックとして認識されません。上の図2を見てください。斜線が入っているのが効果ブロックとしますが、ブロックに書いてある番号から見てもこれはプレイヤー1がおいたものだとわかりますが、


この状態になっても4つある1のブロックは消滅しませんし、ノルマも減りません。しかし、このブロックは代わりに特殊な効果を持っているのです。効果ブロックはBブロック・Fブロック・Tブロックの3種類があり、それぞれが別々の効果を持っています。以下の図3でそれぞれの効果を示します。

図3:効果ブロック

Bブロックは点線で示したBブロックの上下左右にあるブロックを消滅させます。しかし、あくまでもブロックの効果で消滅させるのでノルマが減るわけでは無いことに注意しなければなりません。効果ブロックの中では最も使いやすいと思われるブロックで、連鎖の起爆や相手の邪魔なブロックの破壊などに使うことができます。

Fブロックは点線で示したような、Fブロックの左右にあるブロックを破壊します。左右といってもBブロックのように効果ブロックに張り付いているブロックだけではなく、自分の横列にあるブロック全てを問答無用で全て破壊します。大量のブロックを消滅強力な効果ですが、自分の大切なブロックも消滅しないように気をつけて使う必要があります。

最後にTブロックですが、これは前に述べた2つのブロックとはかなり異なる効果を持ちます。効果範囲はBブロックと同じくTブロックの上下左右1つずつですが、こちらはブロックを消滅させるのではなく入れ替えるのです。図の矢印のように左右・上下のブロックを入れ替えます。このブロックは3つの効果ブロックの中でも扱いづらいタイプで、うまく使うには慣れが必要でしょう。

効果ブロックは置くために1ターン消費し、発動させるのも1ターン必要であるため2ターンも消費します。さらに一度効果を発動させると消滅してしまうというハイリスクなものですが、うまく使えば連鎖を行ったり相手の思惑を潰したりと強力な力を秘めています。

 

 以上が私の製作しているゲーム「ブロック積み」の主な説明です。もっともスタンダードルールが変わることは無いでしょうが、VSルールの方は私が考えたルールなので色々と問題があるかもしれません。また、製作途中のゲームであるため変更する点も出てくると思います。それでもやってみたい、少し興味があるという人は、X680x0同好会所属、3Jの岩本までご連絡をどうぞ。できれば調布祭の展示に間に合えばいいのですが……。

 最後におそらく実際のゲーム上では起こりえないであろう大連鎖の例をあげます。この例ではどこに何番のブロックをおけば何連鎖が起こるでしょうか?考えてみてください。