錯視について

2年 大原

 人間は目でものを見てから体が動くまでにタイムラグが発生します。つまり「目で見る」→「脳で判断する」→「脳が命令をくだす」→「体が動く」というプロセスを踏まなければなりません。この話を聞いたときは「アクションゲームで見えているはずなのに、敵の攻撃が避けられなかったりチャンスに攻撃できなかったりするのはこのためか」と思ったものです(いや、ただ硬直しているだけかもしれませんが)。
 とりあえず目は結構あやふやです。今回は目の錯覚「錯視」について書こうと思います。




 この図はミュラー・リヤー錯視といいます。上下の横線が実際には同じ長さにもかかわらず、下のほうが長く見えます。1889年に発表されました。最も有名な錯視のひとつでしょう。





 この図はツェルナー錯視といいます。実際には平行な横線が傾いて見えます。図を斜めに傾けて見ると、大きく傾いて見えます。見えにくい方もそうでない方も試してみてください。


 立命館大学文学部人文学科心理学専攻の北岡明佳教授が発表した「蛇の円盤」という作品があります。フレーザー・ウィルコックス錯視といわれているものの仲間です。一枚の静止画であるにもかかわらず動いて見えます。初めて見たときは動画でないかと疑ってしまいました。強いインパクトがあり、今回の記事を書く原動力となりました。著作権の関係で載せられないのが残念ですが、北岡教授のページに「蛇の円盤」がたくさんあります。
  北岡明佳の錯視のページ http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/index-j.html

 いかがだったでしょうか?世の中には、まだまだ数え切れないほどの目の錯覚を利用したものがあります。興味を持たれた方は「目の錯覚」などで検索してみるとおもしろいページにたどりつけるでしょう。

 このような不思議な現象を使ったゲームを作成しています。見ていておもしろく、ゲームとして楽しい、でも錯視で間違える…ストレスがたまらない工夫が課題です。
 ちなみに「目でものを見てから体が動くまでにタイムラグが発生する」と最初に書きましたが、「耳で聞く」→「脳で判断する」→「脳が命令をくだす」→「体が動く」というプロセスのほうが少しだけ短い時間で処理できます。ですから音をたてて攻撃してくるような敵には、目よりも耳で避けるほうが簡単になることもあります。なお、実生活で目をつむるのは危険を伴うので、あくまで危険のないテレビゲームでお試しください。
 …この方法が有効な敵はロックマン7のターボマンぐらいしか思いつきませんが。