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3.コンパイラとエミュレータが使えるようになろう

 KJX作成ツールでプログラムをコンパイルする方法と、エミュレータの使い方を簡単に説明しましょう。

 プログラムを作るときは、まず、KJX作成ツールでプロジェクトを作る必要があります。KJX作成ツールを開いて、メニューバーの「file」→「new project」を選択します。プロジェクト名とその詳細名(なくても可)を入力したら、「EnvironmentEditDialog」という、前章で見たことがあるような画面が現れます。ここで設定するのは、「MicroEdition-Profile」の項目です。KDDI独自のプロファイルを使わない場合は「MIDP-1.0」を、独自プロファイルを使い、フェーズ1※12で動くプログラムを書く場合は「KDDIP-1.0」を、フェーズ2で動くプログラムを書く場合は「KDDIP-2.0」をそれぞれ指定し、「OK」を押して設定を終了します。ちなみにこの設定は、後から「project」→「edit env...」で変更できます。
 プロジェクトを作ったら、プログラムをメモ帳などのテキストエディタで書き、これを適当な場所に保存しなければなりません。前章で「project root path」に新しいプロジェクトを作成する時のフォルダを指定しましたよね? このフォルダ以下の(プロジェクト名)\src\というフォルダが出来上がっているはずなので、ここにプログラムを保存していきます。プログラムの書き方については次章で紹介します。
 無事にプログラムも書き終わったら、コンパイルを行いましょう。プログラムを書くときにKJX作成ツールを終了してしまったら、もう一度開いて、プロジェクトを開いておきましょう。Project Listに目的のプロジェクトが表示されたら、それを選択して、左上にある「build」ボタンを押します。すると、DOS窓(コマンドプロンプト)がいくつか現れては消え、現れては消えて、下のbuild Logに「build finished」が現れます。これが出た場合は無事にコンパイルが成功したということです。これが現れなかったときは、build Logにエラーメッセージが日本語で表示されます(ありがたい)。エラーの原因を取り除いて再度ビルドを繰り返しましょう。

 さぁ、無事にKJXファイルが作成されたら、いよいよ実行です。実機で試してもいいですが、エミュレータで試すのが手間がかからなくてよろしいかと思います。エミュレータはスタートメニューに登録されている「ezplus Emulator」で実行します※13。まずは「ezplus Emulator」を開きましょう。すると、なにやら電話機らしいウィンドウが現れ、もう一つはメニューバーのついたウィンドウが現れます。メニューバーから「file」→「Open midp app...」で目的のKJXファイルを開きます。そして、「Run」ボタンを押します。すると、電話機のウィンドウの画面が変わって、プログラムが実行されたとわかります。このエミュレータ、しばらく放っておくと画面が暗くなったり、バイブさせるプログラムを書いたら、電話機が震えたりして、このあたりの出来は非常によいです。ただ、音再生が全くダメなのが残念です。次のバージョンに期待(してもいいのか?)。
 他には、「Option」→「Phone Design Dialog」で、電話機の表示領域の大きさ、フォントの大きさ等が設定できます。いろいろといじって実行させて見ましょう。
 あとこのエミュレータ、動作は実機より速く動作します。エミュレータの速度でちょうどよく作ると、実機では遅く感じるでしょう。エミュレータで一通りの動作確認が済んだら、実機でも動作確認をしましょう。
 実機で実行させるには、KJXファイルを実機に転送しなければなりません。携帯電話転送ソフトを使う場合は、データフォルダにKJXファイルを転送するだけです。普通にezplusを実行するように実行しましょう。実機でないとわからない不具合※14が見つかるかもしれません。

※12 - フェーズというのは、ezplusのバージョンのようなものです。フェーズ1の機種はC451H、C452CAの二つで、残りのezplus対応端末はフェーズ2となっています。
※13 - KJX作成ツールに「execute」ボタンがありますが、あれはダミーです。機能しません。
※14 - このボタン配置は使いにくい!」とか、「実は暇つぶしには全くならない」とか。

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